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COLUMN 繊維コラム

2020.06.25

“生地屋”の機能性解説 ~吸水速乾素材(吸汗速乾素材)とは?~

<目次>

・吸水速乾(吸汗速乾)とは?
・吸水速乾(吸汗速乾)の用途
・吸水速乾(吸汗速乾)の原理
・吸水性の基準値
・速乾性の基準値
テキスタイル&アパレル マスダの吸水速乾ラインナップ

 

■吸水速乾(吸汗速乾)とは?

 「吸水速乾(きゅうすいそっかん)」は、生地に付着した汗などの水分を素早く吸収し乾燥させる性能のことを指します。衣料用生地で用いられる場合は、主に吸う対象が「汗」である為、「吸汗速乾(きゅうかんそっかん)」とも呼ばれます。

 世の中では、既に「吸水速乾」あるいは「吸汗速乾」で一つの単語として認知されつつありますが、厳密には「吸水性(吸汗性)」と「速乾性」という2つの機能を併せもった機能素材を意味しています。素早く吸うからといって、必ずしもすぐに乾くというわけではなく(例:ぞうきん、タオル)、またすぐに乾かす力はあるが、吸う力が弱いものもあります。(例:形態安定タイプのワイシャツ)

 「吸水性」「速乾性」ともに優れた吸水速乾生地で作った衣服は、衣服内気候(皮膚と衣服の間の温度・湿度・気流)を快適に保ち、蒸れ等の不快感を抑えることができます。

 汗で濡れた衣服を長時間着用していると体が冷えてしまいます。吸水速乾性を持ったウェアを着用することで、かいた汗を素早く吸い上げ、そして生地を素早く乾かし、体の熱が奪われていくのを防ぎます。また、洗濯した後も乾きやすくなるというメリットがあります。

■吸水速乾(吸汗速乾)の用途

・スポーツウェア、アウトドア
 汗をかくシチュエーションの代表例といえば、やはりスポーツやアウトドアです。吸水速乾素材なら、汗をかいても肌離れが良くベタ付き感を軽減します。汗だけでなく多少の小雨も乾きやすいので、身体の冷えを抑止することができます。

・ユニフォーム
 「チームや組織内で共通した衣服を着ることで、チームや組織に一体感をもたらす」という役割のあるユニフォームは、寒暖の調整をしたいからといっても自分だけが別の衣服を着用することが難しい場合もあります。吸水速乾の生地を使うことで、暑がりな人が着用することの抵抗感を薄められます。また、作業などを通して汗をかくことが予測される場合には、労働者のストレスを軽減する意味においても必要になってきます。

・パジャマ、インナー
・寝装寝具(シーツ、枕カバー)

 起きたら寝汗でびっしょりだったという経験はありませんか?人は寝ている間にもコップ1杯分(200ml前後)以上の汗をかきます。吸汗速乾性のパジャマやインナー、寝装寝具類を使うことで、睡眠を質をぐっと上げることができます。汗冷えによる風邪対策にも最適です。

・マスク
 飛沫感染の対策として、マスクの着用シーンは多くなりました。しかし、夏場のマスクの中はとても蒸れやすくなっています。蒸れたマスクの中は雑菌が繁殖しやすい環境になっており、汗疹(あせも)やニキビの発生原因にもなりえます。吸汗速乾のマスクがあれば、蒸れを軽減させることができるでしょう。

【コラム】綿素材のスポーツウェア!?

 今では信じられませんが、一昔前はスポーツをする際のウェアも綿素材で作られていることが一般的でした。綿といった天然繊維は、ポリエステルを代表とした合成繊維よりも繊維の比重が重い上、細い糸を作ることが難しい為に生地自体も分厚く、重いウェアが当たり前でした。その上、更に汗をかいていくにつれてウェアの重みが増し、運動能力の妨げになっていました。

 今では、ランニングウェアでも汗を吸うのではなく、逆に撥水性のある生地を使用することで、汗を吸わせず、下に落としていくといった商品企画もなされています。

 このように、ウェアの企画と生地の機能性をうまく組み合わせることで、より高い着心地を発揮する衣服が作られていっています。私達を興奮させてくれる一流アスリートのプレーの進化は、繊維の進化が支えています。

■吸水速乾(吸汗速乾)の原理

 皆さんのイメージの中では、「綿素材は水をよく吸う」というものがあるかと思います。しかしながら、世の中の吸水速乾素材は、ポリエステルを用いられているケースがほとんどです。その理由は「速乾性」にあります。

 綿は、天然の繊維で、確かに水分をよく吸収します。その為タオル・ぞうきん・ハンカチなどは今でも綿素材が中心です。しかし、綿は繊維自体が水分を吸いこんでしまう為、なかなか乾きません。その一方で、ポリエステルを中心とした合成繊維は、繊維自体は水分を吸いません。糸や生地の隙間に一時的に水分を溜め込むにとどめ、繊維内部までは水分が浸透していない為、綿を中心とした天然素材には出せない速乾性を発揮できるのです。繊維自体が水分を吸い込まない性質のことを疎水性(そすいせい)といいます。※疎水性の対義語は親水性(しんすいせい)といいます。

 しかしながら、ポリエステルを中心とした合成繊維の持つ疎水性は、理屈上は水を吸うこと(吸水性)には適していません。年輩の方の中に「化学繊維(ポリエステル)の洋服は水を吸わない」というイメージをお持ちの方がいらっしゃると思います。うまく吸水がなされなければ、生地がベタっと肌にはりついて不快感の原因になるからです。その意味では、そのイメージは正解です。ただし、繊維の技術は進化しています。こうしたポリエステルの弱点を補完するために生まれた工夫が「糸を変える」、そして「生地組織構造を変える」というものです。

 「糸を変える」とは、繊維の断面を異型にしたり、糸の組み合わせを工夫することで、毛細管現象を発現させて水の移動を促進させます。毛細管現象とは、液体が重力を無視して広いところから狭い(細い)ところへ移動していこうとする現象のことを言います。
 「生地組織構造を変える」というのは、生地面を表側と裏側(肌側)で異なる組織構造にすることで、毛細管現象を発現させて、水分を表側に薄く広げることで表面積を増やして乾きやすくするというものです。
 又、糸や生地の隙間に水分を溜め込まなければならない為、一度に大量の水分や汗を吸収するには、糸や生地の中にどれだけ多くの微細な空間をつくり出せるかが着心地を左右します。その点において、日本製生地(テキスタイル)の丁寧な糸作り・生地作りが優位性を持っています。

 以上のように、本来的には疎水性であるポリエステルを使って優れた吸水性を発揮させるには、様々な工夫が必要です。
 しかし世の中には、後加工として親水性に優れた加工剤を塗布することのみで吸水速乾性をもたせようとする商品が大半を占めています。こうした後加工のみによる吸水速乾性は、繰り返しの洗濯によってだんだんと効力が落ちていきます。もっと酷いものでは、ポリエステルを使用しているだけで吸水速乾(実際には水は全然吸わない)を標榜する商品もあるので注意して下さい。反対に、糸や織り、編みの段階から最適に組み合わせていくことで、その効果は恒久的なものとなります。このように、糸の段階から様々な工夫を加えることで、水分を吸わないというポリエステルの弱点を補い、強みに変えたものが、吸水速乾素材です。

■吸水性の基準値

JIS(日本産業規格)L 1907 : 2010に基づく試験方法が3つあります。

①沈降(ちんこう)法(主にタオル向け)
 方法:1㎠の生地片の肌面側を水面につけて、沈むまでの時間を計測する方法です。
 結果:生地片が60秒以内に沈めば、吸水性があると認められます。

②バイレック法(主に靴下向け)
 方法:縦長に切った生地を、垂直になるように水に浸します。その後、水をいくら吸い上げたかの高さを計測します。
 結果:10分後に水面から約8cm以上上昇していれば合格です。
 
③滴下(てきか)法(最も一般的に利用される試験方法)
 方法:生地をピンと張りフラットにした状態で、肌に触れる面にスポイドで水を垂らし、水滴が見えなくなる(平面になる)までの時間を計測します。
 結果:カジュアル等の一般用途向けは、10秒以内に水の表面張力がなくなるまで吸水すれば合格です。しかしスポーツウェア用途では、1秒以内の吸水を求められる場合があります。

■速乾性の基準値

速乾性の基準値は、JISに定められた試験方法はありませんが、「拡散性残留水分率」を調べる方法があります。

◎拡散性残留水分率試験
 方法:10cm×10cmの生地片の質量を測定して、水を0.6ml滴下し、標準状態(20℃、湿度65%rh)で吊り干しにし、一定時間後にその質量を測定します。
 結果:特定の時間以内に、残留水分率が10%以下になればOKです。素材によって測定時間が変わります。

 <例> ※基準値は検査機関によって異なります。
 ・セルロース織物:65分
 ・セルロースニット:75分
 ・合成繊維100%織物:45分
 ・合繊繊維100%ニット:55分

■テキスタイル&アパレル マスダの吸水速乾ラインナップの紹介

ECO1085【生地定番(日本製)】
・エコ・トーヤコ<ECO-1085>

 

 

EC-1182_m_f【アパレル製品定番(日本製)】
・エコラブ®Tシャツ<EC-1182>

 

 

BK966【生地定番(日本製)】
・ブライトキング<BK-966>

 

 

MR-844【生地定番(日本製)】
・新ミスター介護士<MR-844>

 

 

CF-111_mc_f_1.jpg【アパレル製品定番(日本製)】
・コンフォートジャケット<CF-111>
※生地定番<BK-966>もしくは<MR-844>使用
同素材使用品番コンフォートパンツ<CF-999>とセットアップ可能です。

 

US2280【生地定番(日本製)】
しん かがやきストレッチ<KS-2288>

 

 

 

TF-033_mc_f.jpg

【アパレル製品定番(日本製)】
制菌ストレッチ長袖インナー<TF-033> 
※生地定番<KS-2288>使用
他にも半袖タイプの<TF-011>、ノースリーブの<TF-022>、スパッツタイプ<TF-088><TF-099>も展開しています。

 

【その他の生地定番】

■織物
<UT-132>打ち水ストレッチ 日本古来の涼対策「打ち水」の原理を応用した気化促進素材
<TL-543>ドライ-ストレッチ  吸水性、ストレッチ性、ドライタッチが魅力
<GR-3150>グレースツイルストレッチ  制菌機能のユニフォームに最適素材

■丸編
<BF-4416>e-ガヤ  東レ「フィールドセンサー®」の吸汗速乾素材!
<BF-4520>ドットクール  スポーツウェアに最適。東レの「セオα」を使用
<BF-4624>アミーナ  ほどよい光沢の東レ「フィールドセンサー®」素材
<AIR-155>エアレットプロ  表はカジュアル、裏はドライタッチのカジュアル機能素材
<EKS-052>クール・デ・ホットエクス  自己乾燥能力をはじめとした多彩な機能を持つ優れもの
<BR-211>ルミネット  スポーティなゲームシャツで使われる光沢のある吸水速乾素材
<BB-422>新ブライトブリスター  表面の凹凸感が特長のブリスター素材
<BEN-9006>ベン・クール  裏面に使ったキュプラが接触冷感性をもたらします。
<BEN-8989>ベン・ワールド  UVカット機能を備えた接触冷感吸水速乾素材
<SK-2525>ナデシコ・ニット  特殊セラミックを練り込んでいます。
<SS-755>カールイ・ドライ  軽くて快適。東レ「フィールドセンサー®」素材
<SD-2020>シャダン・ブリスター  遮熱性もある吸水速乾ブリスター素材
<SD-2230>シャダン・ソアリオンハニカム  熱と紫外線を遮断するハニカム素材。遮熱効果は温暖化対策

■天竺
<FT-4455>ニュージャージーマル  綿ライクなソフト風合いの高機能素材
                  (吸水性・防透け性・UPF50+)

■トリコット
<M398KB>ダブルメリットメッシュ 吸汗速乾機能と帯電防止機能がW(ダブル)メリット
<TC-7540>トリコット鹿の子  抗菌防臭加工で清潔感UP
<FT-4009>ヨーク・ノービル  よーく伸びるよ。ヨガウェア等にどうぞ

■ハニカム
<CL-9990>クールマックス鹿の子  人気のクールマックス素材!

【その他のアパレル製品定番】

■Tシャツ
<AIR-010>エアレット®Tシャツ 「カジュアル機能性Tシャツ」シリーズ
 他AIRシリーズはこちら
<MOST-906>モストクールTシャツ  着心地ひんやりキュプラ混Tシャツ
<EKS-110>エクスライブTシャツ
  「超絶多機能Tシャツ」シリーズ
 ※他EKSシリーズはこちら
<DRY-200>ドライタッチTシャツ
  価格と機能のバランス重視
<DRY-202>ドライタッチ長袖Tシャツ
  オールシーズン使えるドライ長袖Tシャツ

■ポロシャツ
<DOT-900>Vネックゲームシャツ
  スポーティ&スタイリッシュ!
<EG-210>サイドラインジップシャツ
  スポーティ&ファッショナブル!
<DRY-400>ドライタッチ半袖ポロ
  価格と機能のバランス重視
<DRY-600>ドライタッチボタンダウン
  好感度No.1ニットシャツ

■その他
<VIP-23>メッシュベスト
  ソフトタッチな国産ベスト
<ABO-50>スポーツキャップ
  クールマックス®素材のキャップ
<NEC-220>ネッククーラー
  濡らすだけのお手軽酷暑対策

 

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