では、どのようにして世の中から必要とされるか。
そのキーワードは、繊維と人間との関係性、“繊維”その中でもとりわけ“生地”の持つ際限の無いポテンシャルにあります。
繊維は有史以来人間の傍にあり続けてきたものの一つであり、今後もその果たす役割は人間の生活に欠くべからざるものです。その人間の生活と切っても切り離すことのできない繊維の力を最大限引き出すことがマスダの存在意義です。
その一つが「定番商品の在庫ストックデリバリーシステム」です。繊維に限らず、「工」と「商」の間には生産最適ロット・消費最適ロットの差が避けられません。この部分を補うのが当社の役割の一つです。時代の流れを見ると、川上サイドは大量生産による生産合理化、川下サイドは多品種小ロット化が進んでおり、当社の果たす役割は益々大きくなってきていると考えております。当社の定番商品は糸の段階までさかのぼり、同一原糸・同一機業場・同一染工場・同一生産ロットで同一色の加工を行うことで品質の均一化を維持しています。そして、もう一つの特徴が商品の継続性にあり、代表的なものでは40年以上の永きに亘り愛される商品を世の中に送り出しています。
このような均一の品質を追求する為、「日本製」にこだわります。時代の流れから適地生産の観点から、海外生産商品も一部取り扱っておりますが、マスダの軸足はあくまでも「日本製」です。その理由は、日本のモノづくりには、目に見える品質以上の価値があると考えているからです。管理の細やかさや繊細な風合いなど、当社とお付き合い頂くことで実感して頂けると思います。
このように、「均一化した品質の商品を安定・継続的に常時在庫し、販売することでより多くの用途・お客様へ使って頂く」ことで、一枚の布が持つ可能性を最大化させます。
社是
当社には、全国に70名の営業マンがいます。省力化・効率化が当たり前とされる中、なぜ我々はこれほどの営業マンを抱えるか。それは、多様性が求められる世の中で今、本当に必要とされるのは多様なニーズをきめ細かくフォローすることが出来る「人」の存在であると考えるからです。そのため、訪問販売を基本としています。そして、「誠意」をもってお客様と向き合い、「熱意」をもって皆さまの抱えている課題の解決へ向け、「工夫」したご提案を行います。
もっとも70名の営業マンも、お客様のお役に立てない者では烏合の衆となってしまいます。そのため、当社は、しっかりと社内研修にも力を入れ、また全社の営業員のノウハウを共有することで可能な限りの営業提案の均一化も意識しています。特に「商」の会社でありながら、取引先である生産工場へも定期的に足を運び、「工」の知識を学ばせていただいております。それにより、当社の定番生地をベースとしたボンディング(貼り合わせ)加工、キルティング加工、プリント加工、パンチング加工、エンボス加工、顔料染、洗い加工、製品化などの後加工の方法も加え、あらゆるお客様のご要望にお応えしております。
アパレル製品定番につきましては、プリントや刺繍といった「名入れ加工」から、ネームの付け替え対応、そして、生地定番とアパレル製品定番の型紙を組み合わせたイージー別注生産まで対応することが出来ます。その意味で、マスダ株式会社は、「製造機能を持った商事会社」であると自負しております。
繊維に限らず多くの業界において、業界毎または取扱商材毎に部署を分け、専門性を追求させることが一般的です。当社は、部署のみならず、担当者毎で専門性を設けず、それぞれの営業員が様々なジャンルのお客様と取引させていただいています。そのため、一つの業界では当たり前でないが、他の業界では当たり前であるという情報が当社営業員の中に蓄積しています。世の多くのイノベーション・新商品開発がこういった業界の垣根を超えることで生み出されるケースは枚挙に暇がありません。このような当社の持つ「情報」が、世の中に新たな価値を生み出すきっかけとなることは私たちの大きな喜びです。
上記のような当社の考えは、世の一般的な考えとは異なる為、一見非効率・奇怪に映るかもしれませんが、非効率であるからこそ成しうる役割を全うすることで当社が“世の中から必要とされ続ける企業”でいられるのだと考えています。時代のニーズを先読みする形で進化してきた当社の戦略は、変化がより一層激しくなるこれからも頑なに自らの役割に徹し、皆さまとともに着実に一歩ずつ進化を続けて参ります。