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『日本製・国産アイソレーションガウンのご紹介と解説』

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『日本製・国産アイソレーションガウンのご紹介と解説』

<目次> ・当社が日本製(国産)アイソレーションガウンの販売を行う理由 ・医療用ガウンについての基本解説 ・当社展開の医療用ガウンのラインナップ ・国内縫製工場の皆様へのお願い <当社が日本製(国産)アイソレーションガウンの販売を行う理由>  新型コロナウィルスが一時的に収束の気配を見せていましたが、再度感染者拡大の様相を見せています。感染によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔み申し上げますとともに、罹患されている方々に心よりお見舞い申し上げます。また、最前線で対応されている医療従事者の皆様、そして、保健所など関係するすべての皆様に対しては、心より感謝申し上げます。  当社は、平時より繊維・生地をカラーストックし、販売を続けて参りましたが、このコロナ禍においてはアイソレーションガウン向けの素材要望を大変多く頂きました。また、同時に普段お取引している多くの国内縫製工場の皆様が通常のオーダーが少なくなり大変お困りとの声を伺いました。そこで、当社としてアイソレーションガウンを企画し、医療機関ならびに福祉施設に販売させて頂いております。  政府も含めて多くの企業が防護服・サージカルガウン・アイソレーションガウンの増産に尽力されていますが、感染者の再拡大も懸念される中、医療機関や福祉施設の皆さまからは、なかなか供給が追い付いていないとのご意見も頂戴しております。供給が追い付かない一つの要因は、適した生地の調達にあると言われています。当社は、アパレル向け防寒衣料(ダウンジャケットや中綿コート、アウトドア向け透湿防水ウェア、スポーツレインウェアなど)用生地の取り扱いを得手としており、アイソレーションガウンに転用が十分に可能な素材を豊富に展開しております。また、アパレル事業としてアパレル製品定番の他、介護用ウェア・検診着などについての生産を行ってきておりますので、ガウンを生産するノウハウも有しております。その為、当社も“生地の専門家”として国内縫製工場の皆様と連携し、アイソレーションガウンの適時供給に取り組んで参ります。つきましては、当社が販売を行っている商品ラインナップをご案内させて頂きます。 <医療用ガウンについての基本解説>  医療用ガウンの中にも用途やシーンに応じた種類があり、適さない用途で誤使用された場合、人命に関わることになりますので、当社展開のアイソレーションガウンをご紹介する前に、医療用ガウンの基本的な部分の解説をさせて頂きます。  参照元:日本経済団体連合会ウェブサイト (https://www.keidanren.or.jp/announce/2020/0424.html) ①防護服(不織布タイプ) ※残念ながら、当社の力不足の為、現在のところこのタイプは製造出来ません。  用途:感染現場消毒などに使用するもの  必要な規格:JIS規格 T8115 タイプ3~6のいずれかに適合するもの (参考)JIS T8115 タイプ3:液体防護用密閉服     JIS T8115 タイプ4:スプレー防護用密閉服     JIS T8115 タイプ5:浮遊固体粉じん防護用密閉服     JIS T8115 タイプ6:ミスト防護用密閉服  備考:全身をカバーするが着脱が容易ではないため、長時間の作業時に使用。 ②サージカルガウン(不織布タイプ) ※残念ながら、当社の力不足の為、現在のところこのタイプは製造出来ません。  用途:手術室などで使用されるもの。  必要な規格:アメリカAAMI ※厚生労働省ではレベル2以上を調達。  備考:規格適合が確認出来ないと医療現場での利用が困難。 (参考)AAMIレベル ※AAMI(米国医療器具振興協会) ③アイソレーションガウン(不織布タイプ・織物タイプ)  用途:医療現場で使用されるもの。ウィルス感染防護として使用。     診察ならびに簡易的な処置などの際に使用されるもの。  必要な規格:特になし。  備考:①撥水性があり、②長袖で袖口がすぼんでおり、③前面が覆われ開口部がなく、     ④着脱が容易(後ろがひも状であるなど)であれば、新型コロナウィルス対応     の現場で使用可能。 <当社展開の医療用ガウンのラインナップ>  当社の展開する日本製(国産)アイソレーションガウンは形が2種類、生地のタイプは透湿防水機能付き不織布タイプが1種類と洗濯可能な織物タイプが6種類あります。生地は在庫ストックしており、医療用ガウンは各種タイプを受注に合わせ現在継続的に生産を行っていっております。現在、納品に多少のお時間を頂いておりますが、国内の縫製工場の皆様と連携を取り、一日も早い納品対応を進めてまいります。 【製品型】 ・政府推奨タイプ  <前身着用イメージ>    <後身着用イメージ> ・着脱容易タイプ(当社オリジナル型)  <前身着用イメージ>    <後身着用イメージ> 当社オリジナルタイプのアイソレーションガウンの特長は、首元後ろにあります。 政府推奨型は首元のパイピングと紐が一体型になっているのに対して、当社オリジナル型は紐を直接縫い付ける形にしています。この形にすることで紐が千切れやすくなっているため、脱ぎ捨てが容易になっています。  ※上記の他、介護現場などでは「本格的なアイソレーションガウンタイプだと大袈裟なので、スモックタイプを作りたい。」「これまで繰り返し使用していたものをこういったときだけに使い捨てタイプに切り替えたい」といったご要望に対しても極力柔軟に対応して参ります。是非遠慮なくご相談ください。   【使用生地一覧】 ・不織布タイプ  使用素材:①<SF2020> ポリエステルスパンボンド+透湿防水フィルム  展開色:白 1色   特徴:・ポリエステル不織布にポリエチレンフィルムをはり合わせているので不織布単体の     ような繊維の隙間は無いため、液体を通さない安心感があります。     ・過酷な医療現場において着用する際に少しでも蒸し暑さを解消する透湿フィルムを     使用しています。     ・表のフィルムは耐薬品性に優れたポリエチレンタイプを使用しています。 ・織物タイプ(撥水加工素材)  使用素材:②<TM-22> ナイロン100%(日本製)裏面コーティング       ③<CHN-210> ナイロン100%(中国製)裏面コーティング       ④<AG-4000> ナイロン100%(日本製)裏面コーティング       ⑤<RS-7024> ナイロン100%(日本製)裏面コーティング(廃番)       ⑥<TM-750W> ポリエステル100%(日本製)コーティング加工無し       ⑦<ECO-8> ポリエステル100%(日本製)コーティング加工無し    展開色:<TM-22>33色展開 <CHN-210>30色展開 <AG-4000>24色展開      <RS-7024>18色展開 <TM-750W>30色展開 <ECO-8>21色展開     特徴:②~⑤のタイプは裏面にコーティング加工をしている素材であり、より安心感の高い     素材です。その代わり、通気性が無い為、過酷な現場においては蒸し暑さを感じるか     もしれません。⑥~⑦のタイプは、裏面をコーティングせず、シレー加工(生地面を     熱と圧力で潰し、通気性を制御する加工。通常はダウンジャケットのダウン・羽毛の     吹き出し対策として用いられる加工です。)を施してあります。コーティングほどの     密閉性が無い為、安心感の点でコーティングを施した②~⑤に劣りますが、逆に密閉     性は無い為、ガウン内が蒸す感覚は⑥・⑦の方が軽減されると思います。使用される     シーン・緊迫度合いによってお選び頂いています。    以上のような形で、当社が展開する生地・素材と国内の縫製工場さんのお力を組み合わせながら販売を行っております。どのタイプがニーズにマッチするのかが分からない場合なども含め、当社の展開する日本製(国産)アイソレーションガウンにご興味頂いた方は、下記ボタンからアクセス頂き、遠慮なくお問い合わせください。   <国内縫製工場の皆様へのお願い>  現在、当社の展開する日本製(国産)アイソレーションガウンに対して、多数のお問い合わせを頂いており、更なる縫製背景を求めております。当社の日本製(国産)アイソレーションガウン生産にご関心を頂いた企業様は、是非下記ボタンからご連絡お願いします。

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おしえて!!マスダさん! ~ 繊維の用語集編 ~

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おしえて!!マスダさん! ~ 繊維の用語集編 ~

 どの業界にもあるように、繊維業界にも様々な業界専門用語があります。  こういった業界用語を調べようと思っても、一般的な辞書に載っているケースは少なく、曖昧なイメージで使っている人も多いため、当サイトにおいて繊維専門用語を解説する用語集ページを作成しました。 > 索引へジャンプ  当社には繊維業界以外にも沢山のお客様がいらっしゃいます。その為、営業一人一人は丁寧に分かりやすく説明をすることを心掛けておりますが、どうしても無意識のうちに業界専門用語を使ってしまいます。それ以外の場合でも「それってどういう意味だろう」「普通に使われているけど、今更聞けない」といったケースもあるかと思います。  繊維業界に入りたての方、これから繊維業界を志望する方、長く業界にいたがなんとなく使っていたという方、生地の仕入れを検討している異業種の方はぜひご活用下さい。  ※当コンテンツは随時更新します。(最終更新日:2021年5月21日)  ※無断転載はご遠慮下さい。 ~お探しの用語解説がない場合は?~  もし、下記に知りたい繊維用語の解説がない場合はこちらへお問い合わせ下さい。 > お問い合わせ  当社で分かる用語はスピーディーにお答えします。又、もし当社が分からない用語であった場合でも可能な限りで調査し回答させて頂きます。既に記載の解説についても、分かりにくい、又はもう少し解説が必要な場合は、お問い合わせ下さい。 ※お問い合わせ頂いた用語については、お客様に個別に回答後、了承を頂いた上で当欄へ掲載させて頂くことがございます。お問い合わせ頂いた方の個人に関することは掲載致しません。) (注)当サイトの用語解説は、前提知識がない人でも理解しやすいように書いております。その為、専門的な知見を元に厳密に見た時には、多少の誤表現等があるかもしれませんが、上記趣旨に基づき作られているものとご理解下さい。 ■索引 ※単語をクリックするとその項目へジャンプします。 ア行:【色泣き】 カ行:【加工糸(かこうし)】【カレンダー加工】    【生機(きばた)】【下代(げだい)】    【吸水速乾(きゅうすいそっかん)】    【抗菌防臭(こうきんぼうしゅう)】 サ行:【紫外線遮蔽率(しがいせんしゃへいりつ)】    【遮光(しゃこう)】【遮熱(しゃねつ)】    【上代(じょうだい)】【シングル巾】    【スワッチ】【制菌(せいきん)】 タ行:【ダブル巾】【着分(ちゃくぶん)】    【中希(ちゅうき)】【デシテックス】    【テトロン】【デニール】 ナ行:【生糸(なまいと)】 ハ行:【撥水(はっ水)】【バルク】【ハンガー】    【番手(ばんて)】【ビーカー】    【布帛(ふはく)】    【ブリード】【防水(ぼうすい)】 マ行:【目付(めつけ)】【(生地の)耳】 ヤ行:【UVカット】【楊柳(ようりゅう)】 ラ行:【○○ⅿ乱】 ワ行:【ワッシャー加工】 数字:【50D/144F(ごまるのいっちょんちょん)】 英語:【A反・B反・C反】【AW】【C8撥水・C6撥水】    【ISO規格】【JIS規格】【OEM】【SDGs】    【SEKマーク】【SPA】【SS】     生機(きばた)/grey fabric  生機とは、精練(製織段階でついたのりや汚れなどの除去)や染色前の未加工段階の生地のことを指します。織卸(おりおろし)とも言います。  生機と書いて「きばた」と読むことへの戸惑いは、生地の世界への入門段階として誰もが通る部分です。絹(シルク)の糸について生糸(きいと)と言うのと同じで、生機の「生」は「き」と読みます。そして糸を使って織物を作ることを機織(はたおり)、その機械のことを機織機(はたおりき)、織物を製織する会社のことを機屋(はたや)と呼びます。そういったところから、未完成でほとんど手つかずの織物を生機(きばた)と呼んだのだと思われます。 生糸(なまいと)/grey yarn  生糸(なまいと)とは、合成繊維(ポリエステルやナイロンなどが代表的)の長繊維で、紡糸されたまっすぐの状態で使う糸のことを表します。製造工程中のPOY(未延伸糸)とは異なり、延伸はされている為、糸の中の分子配列は揃っており、物性面の不安定さはありません。生糸と対比して使われる言葉が加工糸です。合繊のベーシックなタフタは 通常生糸で作られています。  生糸(きいと)とも読むことができますが、意味が異なってきます。この場合は、絹(シルク)を製糸する過程で、繭から糸を引き出したばかりの、撚り合わせていないものを指します。 加工糸(かこうし)/textured yarn  POY(ポイ:未延伸糸)を使い、延伸しながら糸に加工を加えて、特徴を持たせた糸のことを言います。代表的なものとして、仮撚(かりより)加工糸やタスラン糸があります。  仮撚加工糸とは、無撚糸に撚りを掛けてから熱セットし、その後温度を下げてから撚りを戻す加工を施した糸のことです。合繊繊維は、軟化点以上まで加熱させると分子が動き始め、温度を下げると分子が動いた状態で固定されます。(熱セット性・熱可塑性)その後は、撚りがかかった状態がその糸の安定した状態になります。例えると、髪にパーマをかけたような状態でしょうか。その後、撚りを戻そうとしても、らせん状のクリンプ(捲縮:けんしゅく)を持つ嵩高(かさだか)性や伸縮性を持った糸が生まれます。この嵩高性を持ったクリンプが毛糸のようであることから、ウーリー糸とも呼ばれます。タスラン糸とは、2本のフィラメント(芯糸・浮糸)を、スピードを変えて機械に送り込み、その中で空気を吹き付けることで糸同士を強く絡み合わせて作られた糸のことです。短繊維のようなナチュラル感を表現できます。 参考:各糸の拡大図 ※クリックで拡大します。   デニール/denier  デニールとは、長繊維(ナイロン、ポリエステル等)の糸の太さの単位のことです。9,000mの長さで1gの重さになる糸の太さを「1デニール」と定めています。詳しくは「糸の太さについて(糸番手換算システム)」で解説しています。 デシテックス/decitex  デシテックスとは、長繊維(ナイロン、ポリエステル等)の糸の太さの単位のことです。10,000mの長さで1gの重さになる糸の太さを「1デシテックス」と定めています。詳しくは「糸の太さについて(糸番手換算システム)」で解説しています。 番手(ばんて)/yarn count  番手とは、短繊維(綿、麻、ウール等)の糸の太さの単位のことで、一定の重さに対して、糸の長さがどれくらいになるかをもとに計算します。組成ごとに、綿番手、麻番手、毛番手と言うように使い分けます。詳しくは「糸の太さについて(糸番手換算システム)」で解説しています。 テトロン/tetoron  テトロンとは、日本におけるポリエステルの商標です。ポリエステルが世に普及する前1950年代後半、東レと帝人が生産ライセンスを共同取得した際に作られた造語です。名前の由来は、帝人の「テ」、東レの「ト」、ナイロンの「ロン」を合わせたものからきています。  近年は、ポリエステルのことをテトロンと呼ぶケースは少なくなりましたが、その名残が綿とポリエステルの混紡生地のことをT/C(ティーシー)と呼ぶところに残っています。この「T」はテトロンのTから来ています。また、混用率の表記も「T/C 65:35」(=ポリエステル65% 綿35%)のように表します。当社の一部定番素材においてもT/Cの呼び方を使っているものがあります。 品名にT/Cの表記がある生地定番 ・<CM550>T/Cブロード:ベーシックなT/C素材。シャツやユニフォームに。 ・<CM660>T/Cポプリン:ブロードよりも太い糸を使用した平織素材。 ・<CM770>T/Cウェザー:ボリュームのある糸を使用した丈夫な仕上がり。 ・<CM880>T/Cツイル:綿の肌触りが特長のツイル素材。 ・<CM990>T/Cグログラン:太い横畝(うね)が特徴。カジュアルに最適。 品番にT/Cの表記がある生地定番 ・<TC110>ポリス綿:T/Cのタフタ素材。シレー加工が施されています。 ・<TC7540>トリコット鹿の子:表ポリエステル裏綿の高機能ニット。SEKマーク(青)の抗菌防臭。 50D/144F(ごまるのいっちょんちょん)  ポリエステルのマルチフィラメント糸の定番的な規格の一つです。この素材は、50D(デニール)の太さの糸を、144本の細かな糸(フィラメント)を束ねて作っている(144F)ことを意味します。「ごまるのいっちょんちょん」というのは、この糸を扱う業界で馴染んでいる呼び方です。  マルチフィラメントとは、一般的に1本の糸を構成するフィラメントの太さ(単糸デニール)が、1デニール以下のものを言います。言い換えると、フィラメントの数がデニール数より多い糸のことを、マルチフィラメント糸と言います。例えば、50D/48Fはマルチフィラメントとは言わず、50D/72Fはマルチフィラメントに入ることになります。マルチフィラメントの糸を使って生地を作ると、柔らかな肌触りになります。  当社の生地定番に、<G3220>ゴマルのイッチョンチョンという商品がありますが、これは50D/144Fというマルチフィラメントの糸を使用した規格の生地であることを分かりやすくする為のネーミングになっています。 シングル巾(幅)、ダブル巾(幅)  生地の幅の目安となる用語です。シングル巾(はば)を、S巾や狭巾(せまはば)、ダブル巾をW巾や広巾(ひろはば)と言うこともあります。  どれくらいの長さがシングル巾(またはダブル巾)にあたるのかは、生地の素材によって変わることがありますが、シングル巾は90cm~120cm前後、ダブル巾は140cm~180cm前後の幅を指すことが多いです。 (生地の)耳/selvage  生地の耳とは、生地幅の端の部分のことです。耳の部分が製品に使われることは少なく、この耳を含んだ生地の幅の長さを全巾(ぜんはば)と言い、耳の部分を含まない幅の長さを有効巾(ゆうこうはば)と言います。  耳の部分には2列ほどの穴が空いていることが多いですが、これは染色整理加工の段階で、生地を洗った後に、針で固定しながら幅を調整する工程においてついたものです。 参考:生地の端を上から見た図 と 耳部分の拡大画像 ※クリックで拡大します。   A反・B反・C反  生地の仕上がり検査の結果で、振り分けられるクラスのことです。A反は良品で、B反・C反は定められたA反規格から外れた格外品であることを意味しています。  用途や素材に応じて「欠点・傷が○個までならA反」といったような基準が、会社ごとに設けられています。B反以下のものは、想定用途の通常ルートでは販売できなくなりますが、別の用途では欠点が多くあっても問題なく使用できる場合もあります。  繊維・生地の世界は、全く欠点のないものを常に製造するということは不可能と言えるほど繊細です。 着分(ちゃくぶん)/sample  着分とは、主にアパレル業界で使われる用語で、「衣服1着分として必要な生地の量」というところから出た言葉です。対義語にあたるのは「バルク」「量産分」になります。 バルク/bulk  バルクとは、英語で「大きさ、容量、嵩(かさ)」を表す名詞ですが、大量一括で流通する商品、つまり商品を量産する時に使う分を意味します。対義語にあたるのは「着分」「サンプル」になります。(例:バルク向けの生地として300ⅿ必要。) 布帛(ふはく)  布帛とは、織物の総称です。アパレル系の会社ではこのように呼ぶことが多いです。古くは麻と絹の織物を意味していましたが、今では合成繊維などの他の素材も含みます。なお、布帛に対応する用語がニット(編物の総称)になります。 上代(じょうだい)、下代(げだい)/retail price,wholesale price  上代とは、「小売」価格のことで、エンドユーザー向けの値段です。定価、メーカー希望小売価格、プロパー(正規)価格と近い言葉になります。  下代とは、「卸売」価格のことで、バイヤーが卸先から仕入れる時の値段です。同じ上代でも、仕入先によって下代に差が出るケースがあります。  また、下代は、上代に対する掛け率で表されることもあります。(例:上代2,000円のシャツを、7掛け〔=70%〕で卸すと1,400円となる。) ○○m乱(らん)  生地の長さ表記で、50m乱というような表記がある場合は、「1反が50m前後」という意味です。よって1反オーダーしても、48mの反物が届いたり、52mの反物が届いたりします。  ただし、「乱」の表記が無くても、生地の場合は1反の長さは変わってきます。どうしても一定にすることが困難な為です。「乱」がついているものは、特に振れ幅が大きいものとお考え下さい。このように生地の世界では、1反における長さがバラつく為、取引価格の設定は1反○○○○○円ではなく、1m(あるいはヤード)あたり○○○円で設定されます。 スワッチ/swatch  スワッチとは、小さく切った見本という意味の英語で、素材感や風合いが確認できるハガキ大の生地見本のことです。商談で見せたり郵送したりするのに丁度良いサイズの見本です。 ハンガー/smple hanger  ハンガーとは、ハンガーラックに掛けられるようなフックがついたタイプの生地見本です。スワッチと比べて大きく、生地の重みやドレープ性などもより確認しやすくなっています。 目付(めつけ)/weight  目付とは、1㎡あたりの生地の重さのことで、単位はg/㎡で表記します。他にも「巾なり目付(はばなりめつけ)」と言って、(巻きの幅そのまま)×1mあたりの重さを表すこともあります。その場合はg/ⅿと表記します。簡単に言うと、全巾150cm・目付100g/㎡の生地の巾なり目付は、150g/mということになります。巾なり目付の場合は、耳部分も含めた重さとなり、有効巾部分のみの重さではありません。 ビーカー/beaker test  ビーカーとは、生地をオリジナル色に染める前に、ユーザーが希望する色に染める為の染料配合を決め、確認する工程、もしくはその結果です。簡単な流れとしては、染めたい色の構成を機械で分析し、その後、専用の装置に入れて染色実験を行います。理科の実験等で使うビーカーと同様に小さな器具を使って行う為、この名前で呼ばれています。  色味は、素材や使用する染料により見え方が異なってくる為、この工程を慎重に行う必要があるのです。 中希(ちゅうき)/listing  中希とは、染色した同一反物の中央部と両耳部の間で、濃度や色相に差が出てしまい、生地の場所により色が微妙に異なってしまう染色欠点のことです。似た欠点として、染色方法によっては長さ方向(1反の始めと真ん中と巻き終わり)で濃度や色相に違いが生じる「エンディング(Ending)」や「テーリング(Taling)」といったものもあります。  染色方法によってはこれらの欠点が出やすいものとそうでないものがあります。染色工場は当然これらのことを踏まえ、染色加工上がりなど要所において検査し、細心の注意を払い出荷して頂いています。 色泣き・ブリード/bleeding  色泣きとは、洗濯や雨などで生地が濡れてしまった際に、その水分により生地についている余分な染料が浮き出てしまい、水分の広がりに伴い色の濃い部分が淡い部分へ色移りしてしまう現象です。「ブリード」現象とも呼ばれます。   色泣きの原因は様々ですが、染色後における洗い(ソーピング)の工程で、繊維に完全に結合していない余分な染料をしっかり落とせていないと起こりやすくなります。 楊柳(ようりゅう)/crepe  楊柳(ようりゅう)とは、タテ方向に細長いシボのある織物です。このシボは無撚りの経糸と強撚の緯糸を平織にすることにより、緯糸の撚りが戻ろうとすることで表れます。生地の見た目が枝垂れ柳(しだれやなぎ)のように見えることから、楊柳と呼ばれています。凹凸感があり、サラっとした着心地になるため、春夏シーズンの衣料向けに重宝されています。 撥水(はっすい)/water repellent  撥水(はっ水)とは、水を弾く加工です。撥水性のある生地の上に水滴を垂らすとコロコロと玉状になって滑り落ちます。当社の別コンテンツでは、撥水の原理について、さらに掘り下げて解説しています。詳しくは「“生地屋”の機能性解説 ~撥水(はっ水)素材とは?防水素材との違い~」をご覧ください。 C8撥水・C6撥水  C8撥水とは、C8有機フッ素化合物による撥水剤(または撥油剤)による加工のことです。  C8撥水剤は、フッ素系加工剤の中でも炭素(C)の数が8個以上のC8テロマー(Rf基の構造を持つ化合物)を原料としたものです。C8撥水剤には、ごく微量のPFOA(パーフルオロオクタン酸)が不純物として含まれていることがわかり、2019年5月に開催されたストックホルム条約第9回締約国会議において廃絶対象物質として指定されるなど、欧米を中心に規制する動きが広がっていました。日本国内では、2020年4月に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)施行令の一部を改正する政令」が閣議決定され、2020年10月22日(金)からC8撥水剤を使用した加工生地および製品の輸入が禁止されることとなりました。  今後は、PFOAを含まない炭素数が6個のC6タイプの加工剤(通称C6撥水剤、あるいはPFOAフリー)や、そもそもフッ素を使わない非フッ素系加工剤(通称C0撥水剤、あるいはフッ素フリー)を使用した撥水素材へ移行していくと考えられます。 防水(ぼうすい)/water proof  防水とは、生地からの水の浸入を防ぐ加工です。衣服内の蒸れを防ぐ透湿防水(とうしつぼうすい)という加工もあります。詳しくは「”生地屋“の機能性解説 ~防水素材とは?透湿防水素材とは?~」で解説しています。 ワッシャー加工/washer process  ワッシャー加工とは、生地を専用の機械に入れ、水や薬品などを使ってナチュラルなシワ感を出す加工です。シワづけする機械の種類によってシワの形には違いが生まれます。  普段、生地を染色するにおいて最も気を使うところの一つが、仕上がり時にシワを出さないようにすることです。そういった歴史の中、シワになりにくい生地を作る技術・設備が進化してきました。その結果、現在ではワッシャー加工のような、あえてシワをつける加工が逆に難しくなってきています。  その点において、このワッシャー加工を用いた当社の生地定番<WA-4200>伝説のワッシャーと、その生地を使ったアパレル製品定番<1880>伝説のスウィングトップは、30年以上販売を続け、上品なシワ感を維持しているまさに伝説の商品達です。 UVカット/UV protection  皮膚に悪影響を及ぼす恐れがある紫外線を遮蔽する加工です。UVとは、ultra-violet(ウルトラバイオレット)の略で紫外線のことを指します。詳しくは「“生地屋”の機能性解説 ~UVカット素材・遮光素材・遮熱素材とは?~」で解説しています。 遮熱(しゃねつ)/heat insulation  遮熱とは、熱を遮る機能・または加工を指します。太陽光からの赤外線による熱などを防ぐ加工です。詳しくは「“生地屋”の機能性解説 ~UVカット素材・遮光素材・遮熱素材とは?~」で解説しています。 遮光(しゃこう)/blackout  遮光とは、光を遮る機能・または加工を指します。外からの光が漏れないようにする目的で日傘やカーテンなどの用途に使われます。詳しくは「“生地屋”の機能性解説 ~UVカット素材・遮光素材・遮熱素材とは?~」で解説しています。 紫外線遮蔽率(しがいせんしゃへいりつ)/UV protection rate  紫外線をどの程度遮蔽できるかの割合を表した指標です。その素材を着ることで、どれくらい日焼けを防げるかという目安に用いられます。詳しくは「“生地屋”の機能性解説 ~UVカット素材・遮光素材・遮熱素材とは?~」で解説しています。 カレンダー加工/calendering  カレンダー加工とは、カレンダー機と呼ばれる機械を用いる加工で、ローラーによって生地に熱と圧力を加えて表面を平滑にします。また、シレー加工やチンツ加工とも呼ばれます。長繊維織物の産地ではシレー加工と呼ばれ、綿を中心とした短繊維織物の産地ではチンツ加工と呼ばれることが多いようです。シレー加工とはフランス語でワックス(蝋)という意味です。これは元々蝋などを塗布していたことに由来していると思われます。ちなみに、カレンダーの英語でのスペルは「calender」と書き、暦のカレンダー「calendar」とは全く別の単語です。  これらの加工は、元々生地の表面に強い光沢を付与するための加工です。しかし、現在では、生地に圧力をかけて織物生地の織り目の隙間をつぶすことで、空気の抜けなどをコントロールする為にも用いられます。例えば、ダウンジャケットや羽毛布団などで用いられる生地にはダウン(羽根)が出てこないようにするための必須の加工です。 当社の「カレンダー加工」生地定番一例 ・<TM-3001>ひかるげんじ(光源糸):ブライト糸使い+表カレンダーによる強光沢 ・<MX-11W>ニュー エムエックス イレブン:アウターに最適な裏カレンダー加工の定番 その他にも多数取り揃えています。 吸水速乾(きゅうすいそっかん)/water absorption and quick drying  吸水速乾とは、生地についた汗などの水分を素早く吸収し乾燥させる性能のことを指します。詳しくは「“生地屋”の機能性解説 ~吸水速乾素材(吸汗速乾素材)とは?~」で解説しています。 抗菌防臭(こうきんぼうしゅう)/antimicrobial deodorizing  抗菌防臭とは、臭いの原因となる黄色ブドウ球菌の増殖を抑えることで防臭する加工です。詳しくは「“生地屋”の機能性解説 ~抗菌防臭素材・制菌素材とは?~」で解説しています。 制菌(せいきん)/bacteriostatic  制菌とは、特定の細菌(黄色ブドウ球菌、肺炎かん菌、緑膿菌、大腸菌、モラクセラ菌)の増殖を抑える加工です。似た名前の抗菌防臭加工よりも、対応している菌種が広く、菌の活動も低下させる機能になります。  詳しくは「“生地屋”の機能性解説 ~抗菌防臭素材・制菌素材とは?~」で解説しています。 SEKマーク  SEKマークとは、一般社団法人の「繊維評価技術協議会」が実施する認証制度です。SEKは、清潔の「S」、衛星の「E」、快適の「K」の略称で、いずれも消費者の生活環境向上に必要な要素です。同協議会の基準に合格した商品にはSEKマークを表示できるようになります。当社の別コンテンツでSEKマークの例をご紹介していますので、ご参考下さい。 →参考:「“生地屋”の機能性解説 ~抗菌防臭素材・制菌素材とは?~」  SEKマークと言うと、「抗菌防臭」「制菌」に関するイメージが強いですが、これらの他にも「抗かび」「光触媒抗菌」「抗ウイルス」「消臭」「光触媒消臭」「防汚」があります。直近(2020年10月)では、「紫外線遮蔽率」に関する認証基準も新設されました。この点については「“生地屋”の機能性解説 ~UVカット素材・遮光素材・遮熱素材とは?~」にてもう少し詳しく解説しています。 ISO規格(アイエスオーきかく)  ISO規格とは、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)によって作成される規格のことです。ISOという機関はスイス・ジュネーヴに本部を置き、モノやサービスの国際間取引を容易にする為、モノやサービスなどについて共通のモノサシ(標準化)を作っています。このISOが作る世界的なモノサシのことを、ISO規格と言います。  ISO規格というとISO14001(企業活動による環境負荷を最小化するマネジメントシステムに関する規格)やISO9001(製品やサービスの品質マネジメントに関する規格)が有名ですが、この他にも約2万もの規格があり、工業・農業・食品・医療など多様な分野を網羅しています。  日本独自の規格として、「JIS」がありますが、日本ならではの文化や商慣習の影響で、ISOの内容とは異なるものも多く見られます。身近なところでは、A版(A4やA3など)のコピー用紙の大きさは、世界共通のサイズとしてJISとISOが同様の規格になっている一方で、B版(B4やB5)は、JISにのみ規格化された日本独自のサイズになっています。このような商品規格の違いが、日本の企業が海外へ進出する際の足かせになっているとの見方もあり、JISをISOに沿うように制定、もしくは改定するといったことへの重要性が高まっています。 JIS規格(ジスきかく)  JIS規格とは、Japanese Industrial Standardsの略で、「日本産業規格」と言います。産業標準化法に基づき制定される日本の国家規格のことで、モノの仕様や、それを評価する基準を全国的に統一し、単純化するための規格です。例えば乾電池は、メーカーによって大きさや電圧が変わることもなければ、使える機器等に差が出ることはありません。これは「JIS規格」に則って作られているからと言えます。JIS規格が認証された商品には「JISマーク」がついているので、消費者も安心して購入することができます。かたや、国際規格である「ISO」は、英語やフランス語で規定されており日本人には分かりづらく、又、その規格自体が日本の生活基盤や文化に沿わない部分もあります。その点においてJISは、日本独自の規格として大きな役割を担っています。その反面、JISとISOに違いがあることで、日本で流通している商品を海外へそのまま持ち出せない弊害も生じています。日本の独自性と国際化のバランスをどこで取るのかの問題といえます。  JISは元々「日本工業規格」という名称でしたが、標準化の対象にデータやサービスを追加することになり、略称のJISはそのままに2019年7月1日に「日本産業規格」へ改名しました。  JISは「JIS L 1902」のように「JIS ○(英字)○○○○(数字)」という表記になります。英字部分は部門記号と呼ばれており、業種ごとに英字1文字が振り分けられています。繊維部門の場合は「L」が使われます。数字部分は4桁であることが多いですが、ISO等の国際規格に沿うように作られたものについては、それに合わせた5桁の番号が用いられます。  こうした国独自の規格は色々な国にあります。例えばアメリカでは「ANSI規格」、ドイツでは「DIN規格」といったものがそれにあたります。 SS(エスエス)、AW(エーダブリュー)、FW(エフダブリュー)  SSとは“Spring & Summer”、AWとは“Autum & Winter”の略で、春夏と秋冬を表します。各ファッションブランドは「2020AW」のように表記していますが、これは「2020秋冬物」という意味になります。  なお、ブランドによってはAWをFW、すなわち“Fall & Winter”と言い換えている場合があります。これはイギリス英語では秋をAutumで表す一方で、アメリカ英語ではFallで表すためです。そのブランドの発祥地がどこか、どこで展示会で行うか等によって使い分けられます。 SPA(エスピーエー)  SPAとは「speciality store retailer of private label apparel」の略称で、製造から小売までを一貫して行う業態(製造小売業)のことを指します。エンドユーザーである消費者に近く、流行・トレンドの変化を敏感に感じることのできる業態なので、商品企画に消費者ニーズをタイムリーに反映させることができます。また、製造から小売りまでに仲介する企業がなく、自社の粗利高が高くなるというメリットもあります。代表的なところでは「ユニクロ」や「ZARA」のようなファストファッションブランドがSPAの形態を行っています。 SDGs(エスディージーズ)  SDGsとは“Sustainable Development Goals”(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)の略称で、「持続的な開発目標」と訳します。2030年までに解決しなければならない社会課題として、国連が2015年9月に設定した世界的な開発目標です。以下の17の達成目標と、これに付随する169の達成基準と232の指標があります。  上の図はSDGsの17の達成目標を示したアイコンです。日本語以外の各言語でも作られており、字の読めない人でも分かるように絵も添えられています。  繊維業界は私達の生活に欠かせないもの作る役割を持つ一方で、生産時における環境負荷や、大量生産・大量廃棄の問題があり、SDGsの観点で見た時には多くの課題を抱えています。当社では、こうした課題を最小化する仕組みとして、トレンドに左右されることなく長期にわたって使われ続ける「定番」商品を中心にラインナップし、それらを“必要なときに、必要なものを、必要なだけ”お求め頂けるシステムを構築しています。  この問題については、環境省も「SUSTAINABLE FASHION これからのファッションを持続可能に」(環境省HPにリンクしています。)の中で提言しています。衣服の生産から廃棄に至るまでの流れにおいて、大量の水を使い大量の二酸化炭素を排出していることをデータで示しており、それがファストファッション企業がもたらす「ファッションの低価格化・短サイクル化」により拍車をかけていることを指摘しています。将来にわたって繊維業界を持続可能にしていく為に、我々繊維業界に携わる企業が問題を把握し、率先して改善に取り組んでいく必要があります。 OEM(オーイーエム)、ODM(オーディーエム)  OEMとは「Original Equipment Manufacturer」の略で、他社ブランドで販売する製品を、代わりに製造することです。製造委託を受けたメーカーは、他社ブランドの知名度や販売力を加えて生産数量のアップを計り、コストダウンを計れるメリットがあります。一方で、製品の供給を受けたメーカーは、自社の製造に関わるリスクを抑えながら、自社ブランド製品の生産量のアップを狙えるメリットがあります。  ODMとは「Original Desgin Manufacturer」の略です。OEMは商品企画などは委託側が行いますが、ODMはその延長として、商品企画やデザインからも手掛けます。 ~お探しの用語解説がない場合は?~  もし、上記に知りたい繊維用語の解説がない場合はこちらへお問い合わせ下さい。 > お問い合わせ    当社で分かる用語はスピーディーにお答えします。又、もし当社が分からない用語であった場合でも可能な限りで調査し回答させて頂きます。既に記載の解説についても、分かりにくい、又はもう少し解説が必要な場合は、お問い合わせ下さい。 ※お問い合わせ頂いた用語については、お客様に個別に回答後、了承を頂いた上で当欄へ掲載させて頂くことがございます。お問い合わせ頂いた方の個人に関することは掲載致しません。) (注)当サイトの用語解説は、前提知識がない人でも理解しやすいように書いております。その為、専門的な知見を元に厳密に見た時には、多少の誤表現等があるかもしれませんが、上記趣旨に基づき作られているものとご理解下さい。  ※当コンテンツは随時更新します。(最終更新日:2021年5月21日)  ※無断転載はご遠慮下さい。

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“生地屋”の機能性解説 ~UVカット素材・遮光素材・遮熱素材とは?~

[”生地屋”の機能性解説]

“生地屋”の機能性解説 ~UVカット素材・遮光素材・遮熱素材とは?~

<目次> ・UVカット素材って何?遮熱・遮光素材って何?それって必要? ・UVカット・遮光・遮熱素材の“原理” ・UVカット・遮光・遮熱素材の“用途” ・UVカット・遮光・遮熱素材の“基準値” ・マスダの“UVカット・遮光・遮熱ラインナップ”   ■UVカット素材って何?遮熱・遮光素材って何?それって必要?  太陽の光は私達の生活に不可欠であり、多くのものをもたらしてくれます。その一方で、酷暑による熱中症被害が問題になったり、日焼けによる肌へのシミが原因となったりと、紫外線対策は特に女性にとって敏感なところだと思います。そこで、当サイトで「UVカット素材・遮熱素材・遮光素材」の必要性・重要性を解説したうえで、それらに対処する最適素材の選び方と当社の素材ラインナップを紹介していきます。  これらの素材の必要性を理解するには、まず太陽光について正しく理解する必要がありますので、簡単に太陽光の解説を進めていきます。  太陽光には、人の目で見ることのできる「可視光線(かしこうせん)」と目に見えない「紫外線」と「赤外線」が含まれています。「可視光線」は一見白色に見えますが、実は7色(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)の色が含まれており、それらが混ざり合って白色になっているように見えています。このことは虹が7色に見える理由でもあることからよく知られています。では、太陽光に含まれる「紫外線」や「赤外線」とはどういったものでしょうか?  「赤外線」とは赤外線は可視光線の中で波長が最も長い「赤」色の「外」にある光「線」という意味であり、太陽光が暑さや暖かさをもたらす元になっており、人の身体をポカポカにする熱作用をもたらします。英語ではinfrared rays(赤の下にある光)といい、赤外線通信のことをIR通信と呼ぶように、IRと略します。  それに対して、「紫外線」は、体内でビタミンDを作ってカルシウムの吸収を助ける一方で、肌に当たることでシミや日焼けの原因となり、人の身体に対して有益・有害ともに化学作用をもたらします。可視光線の中で波長が最も短い「紫」色の「外」にある光「線」という意味合いで、英語では、ultraviolet rays(紫を越えた光)といい、UVと略します。  ここまでの解説を下記の画像にまとめました。  このように、太陽光には「可視光線」と「紫外線」と「赤外線」があり、これらそれぞれに対応するものが「遮光素材」「UVカット素材」「遮熱素材」です。眩しさに関わる「可視光線」を防ぐには遮光素材、日焼け等に関わる「紫外線」を防ぐにはUVカット素材、太陽光の暑さに関わる「赤外線」を防ぐには遮熱素材ということです。ここから分かることは、同一視あるいは混同されやすいこれらの素材は、同じ太陽光からの影響を軽減するものではありますが、必ずしも全て防げるものでもないという事です。特に、熱・熱さを避ける赤外線対策素材(遮熱素材)と日焼けを防ぐ紫外線対策素材(UVカット素材)は同一視されがちだと思うので、注意が必要です。  この3つの素材のうち、特に人間に害をもたらす「紫外線」対策に関してもう少し深く掘り下げます。  フロンガスによってオゾン層が破壊されているといった話は皆さんも耳にしたことがあるかと思います。オゾン層とは、地上から20km以上の距離にある成層圏にある厚さわずか3ミリの空気層ですが、オゾン層には有害な紫外線UV-C(下記解説参照)を吸収する力があり、もしオゾン層が無くなれば陸上の生物は死滅すると言われています。冷蔵庫・エアコン・自動販売機などの冷媒や半導体の洗浄剤などによって利用されてきたフロン(代表的なフロン、CFCについて記述。)は、放出され成層圏に達すると強い紫外線を浴び塩素を放出しオゾン層を破壊していきます。オゾン層の破壊が進むとどうなるのでしょうか?「オゾン層の破壊が10%進むと皮膚ガンは26%増加する」とUNEP(国連環境計画)から警告が出されています。事実、世界で毎年200~300万人が皮膚ガンになっていて、320万人が紫外線による白内障になっているそうです。また植物の生育不良やプランクトン減少にもつながる為、世界規模の食糧危機も予測されています。フロンガスの排出に対しては、既に生産の規制が進み、回収が義務付けられるなどしていますが、大気中に放出されたフロンガスは、分解されることなく、30~50年間、対流圏内で存在し続けます。また、CFC以外にもオゾン層を破壊する物質はあり、紫外線との戦いは人類にとってはまさに現在進行形の課題であると言えます。実際に私たちの身近なところにおいても熱中症により毎年命を落とす方もいらっしゃり、皮膚がんに罹患される方の増加も懸念されています。こうした状況の中で生み出された繊維素材が「UVカット素材」であり、我々の生活のいたる所にその活躍の場がある素材です。 さらに深く:<紫外線の3つの種類> 紫外線は、波長の長さによってUV-A・UV-B・UV-Cの3つの区分に分けることができ、それぞれが皮膚に与える影響も異なります。UV-Cは地表に殆ど届かないので、UV-AとUV-Bについての特徴を解説します。 ◎UV-A(波長320~400nm)  ・地上に到達する紫外線のうち95%を占め、窓やガラスを通過する。  ・波長が長いため、皮膚の深部(真皮)まで到達する。  ・肌を老化させ、メラニン色素を作って肌を黒く(サンタン)させる。 ◎UV-B(波長280~320nm)  ・地上に到達する紫外線のうち5%を占め、窓やガラスを通過しない。   ・波長が短いため、皮膚の深部(真皮)には到達せず、表皮にのみ影響を与える。  ・日焼け(サンバーン)やシミの原因となる。 このように、「紫外線」と一口に言っても、波長の長さによって我々の身体に与える影響は変わってきます。「UVカット」素材は主にUV-AとUV-Bに対処する素材になります。 ■UVカット・遮光・遮熱加工の “原理”   光の透過しやすさは素材によって異なりますが、基本的にポリエステル等の合繊繊維は綿などの天然繊維に比べて「UVカット」「遮光」「遮熱」に適しています。例えば、夏場に綿の薄いTシャツでは、紫外線を防ぐことは到底できません。綿は紫外線を透過しやすい一方で、ポリエステルは繊維自体がある程度の紫外線を吸収するので透過量も少なくなります。又、合成繊維は、機能性を持たせやすい繊維なので、プラスαの加工を施すことで「UVカット」「遮光」「遮熱」の性能はさらにアップさせることが出来ます。  機能性を増加させる方法は、遮熱効果のある赤外線反射セラミックや、可視光線や紫外線を反射・散乱させる酸化チタンなどの超微粒子を繊維内部に練り込むというものです。  また、綿などの天然繊維に対して「UVカット」性などを持たせようとするケースもありますが、こうしたものは紫外線吸収剤を後加工で付着させるものなので、繰り返しの洗濯で効果が薄れていきます。ポリエステル繊維の場合は、糸の製造段階から練り込んでいるので、半永久的な効力を持ちます。 ■UVカット・遮光・遮熱加工の “用途” ・ウェア、アームカバー  炎天下での野外作業、ランニングやウォーキング等での着用が想定されるウェアやアームカバーには、こうした加工を施した素材が適しています。灼熱の炎天下で行われる高校野球でも、あえて長袖を着用する選手が増えてきました。それは、赤外線により上昇した体温を発汗により低下させようとする時に、体力を奪ってしまうからです。日焼け対策のアームカバーも、なるべく紫外線から体から守るため、長袖のものや指先まで覆うものが多いですが、汗をかいた場合でもサラサラとした肌触り(ドライタッチ)をキープしやすい吸水速乾素材を使うなど、夏場でも快適に過ごせる工夫が施されています。 ・日傘、帽子   紫外線から肌を守る女性の必須アイテムといえば日傘です。近年は酷暑と言われるだけあって「日傘男子」という言葉が生まれるほど、男性向け日傘も需要が高まってきました。特に機能を持っていない生地を使用し単に日陰を作るだけの安価なものもあれば、生地にフィルムを貼り合わせることでハイスペックな遮熱効果を持たせたものまであります。 ・テント、タープ  炎天下での長時間の活動は、人の体力を徐々に奪っていきます。テントやタープは、バーベキューやキャンプなどのアウトドアや、運動会などの野外レクリエーションにおける熱中症対策として心強い存在になります。運動会の開催時期については、熱中症対策として10月から5~6月に変更されつつありますが、5月~6月でもかなりの暑さの日もあり、自身の体調変化に気付きにくい小学校低学年の熱中症対策は今後、特に必要性が高まっていくと思われます。 ・カーテン  部屋の極端な暑さや明るさは、窓からの太陽光による影響が大きいと言われています。寝室やリビングに遮熱・遮光カーテンをつけることで、生活や睡眠の質がぐんと上がります。 ■UVカット・遮光・遮熱加工の “基準値” <遮光性試験> ・JIS L 1055 A法  内部を黒く塗りつぶし、照度計を設置した試験箱を用意します。箱の上部にある穴に生地を置き、その上から照明の光を当てて、試験箱の内部がどれくらい明るくなっているかを計測します。この試験は生地原反の検査だけでなく、製品加工の前後にも光漏れの検査も行います。遮光率が大きいほど、遮光性能が高いことになります。一般社団法人日本インテリアファブリックス協会(NIF)では、下記の判定基準を定めています。  1級(人の顔の表情が認識できないレベルの暗さ):遮光率 99.99%以上  2級(人の顔あるいは表情が分かるレベルの暗さ):遮光率 99.80%~99.98%  3級(人の表情は分かるが、事務作業には暗いレベルの暗さ):遮光率 99.40%~99.79% <遮熱性試験> ・レフランプ法  レフランプとは、写真撮影等で用いられる電球のことで、ガラス球内にアルミニウムを付着させた反射鏡があり、光を一方向に集中させることのできるランプです。  試験には、遮熱加工を施した生地と、未加工の生地を用意します。熱線受光体の下に、加工生地・未加工生地を5mmほどの隙間を空けて配置します。そしてレフランプによる光を、任意の時間だけ生地に照射し、透過した熱を熱線受光体に吸収させます。吸収させた後、サーモカメラもしくは熱電対温度センサーにより、熱線受光体の上昇温度をそれぞれ測定します。  ここで熱線受光体の温度が低いほど、熱を遮る性能が高いことになります。一般社団法人日本インテリアファブリックス協会(NIF)では、加工生地の遮熱率とブランクの遮熱率を比較し、遮熱率が25%以上なら合格と定めています。 ・JIS L 1951法  これまで「遮熱」に関しては、統一された試験方法がありませんでしたが、2019年に制定された新しい生地の遮熱性評価方法として、JIS L 1951が制定されることとなりました。  試験方法としては、光源として疑似的な太陽光を出せる人工太陽照明灯を照射させたときの温度変化をサーモグラフィにて測定します。下から熱線受光体→スペーサー(空間を確保するための器具)→生地→生地ホルダーの順に重ねていき、上から人口太陽照明灯に配置し、疑似的な太陽光を照射させます。この時の温度変化をサーモグラフィーで測定し、遮熱率を計算式によって求めます。こちらの方法では、レフランプ法のような未加工品との比較が不要になっています。  算出した遮熱率によって、下記区分記号のいずれかになるかを求めます。 遮熱率 65%以上 55%以上 65%未満 45%以上 55%未満 35%以上 45%未満 25%以上 35%未満 15%以上 25%未満 15%未満 区分記号 S65+ S55 S45 S35 S25 S15 S15- <UVカット試験> 「UVカット」加工では「紫外線遮蔽率」と「UPF評価」の2つを求めるのが一般的です。 ・紫外線遮蔽率測定(アパレル製品等品質性能対策協議会ガイドライン)  測定する波長領域は、280~320nmのUV-Aと、320~400nmのUV-Bの領域です。分光光度計を用いて、生地に紫外線を当てて、どれくらい遮蔽するかを測定します。光を通しやすい白などの淡泊な色目のもので計測されることが多いです。  評価基準としては、UVカット加工後の透過率が、未加工品の透過率の50%以下で且つ、遮蔽率がどれくらいかによって以下の等級に振り分けて判断します。   90%以上の加工品 ・・・A級   80%以上の加工品 ・・・B級   50%以上の加工品 ・・・C級 ・UPF評価:オーストラリア/ニュージーランド規格 AS/NZS 4399  この試験で測定する波長領域は、280~320nmのUV-Aと、320~400nmのUV-Bの2領域ですが、UPF評価は、紫外線の中でもUV-Bに対してフォーカスした規格であり、UV-Bをよく遮蔽していると、平均遮蔽率が同じでもUPFは高く評価されます。試験方法としては、生地に波長290~400nmの紫外線を当てて、分光光度計を使用して分光透過率を測定し、太陽分光放射照度の相対エネルギー値や、皮膚の影響度合いを表す値などを用い算出します。  評価基準としては、以下になります。なお10以下はUPFの適用外です。   UPF 15~24 ・・・Good protection(良)   UPF 25~39 ・・・Very Good protection(優良)   UPF 40~50 ・・・Excellent protection(最良) ・JIS L 1925 繊維製品の紫外線遮蔽評価方法  2019年1月に発行された比較的新しいJIS規格になります。従来は、上記で紹介した2つの評価方法を含め、様々な規格により評価されてきましたが、評価方法が統一されていないことが商品を手に取る消費者を惑わす原因となっていました。これを解消すべく発行された規格が「JIS L 1925」になります。  「JIS L 1925」では、波長290~400nmの紫外線に対する透過率を測定・計算し、紫外線遮蔽率を求める「紫外線遮蔽率」と、波長290~400nmの紫外線により試料の分光透過率を測定し、太陽分光放射照度の相対エネルギー値や皮膚の影響度合いを表す値などを用いて算出する「UPF」の2つの測定方法が規定されています。 【業界最新情報】紫外線遮蔽加工にも「SEKマーク」が新設されました!(2020.10.1更新)  「SEKマーク」とは、機能加工・素材の性能を示しているもので、繊維評価技術協議会が認証をしています。その対象としては、当社HPで紹介している「抗菌防臭」加工や「制菌」加工をはじめ(参考リンク:“生地屋”の機能性解説 ~抗菌防臭素材・制菌素材とは?~)「抗ウイルス」「防かび」「消臭」「防汚」加工といった清潔さに関するものが中心でした。  そして、2020年10月1日からは紫外線遮蔽加工にも「SEKマーク」が発行できるようになりました。SEKマークの認証は「JIS L 1925」に基づく試験方法が採用されています。今回、正式にマーク認証がスタートすることで、日本の紫外線遮蔽加工の信頼性がより高まることが期待されます。   参考までに:<UPF・SPF・PAについて>  UPF(UV Protection Factorの略称)とは、「紫外線保護指数」と言い、着用した時の皮膚への影響度を数値化したものです。(例:UPF50と表記がある場合は、肌への影響度1/50)  世界的に採用されている規格で、スポーツアイテムによく表示されています。一般的な紫外線対策としてUPFは50あれば十分とされており、メーカーがUPF50以上の数字を謳って消費者を惑わすことを防ぐため、UPF50以上でもUPF50+と表記することになっています。  UPFと似たような用語で「SPF」という規格を見たことはありませんか?SPF(Sun Protection Factorの略称)は日焼け止めクリームに対しての性能を示す指標です。一見UPFと似ているように見えますが、全く異なります。SPFは、1974年にアメリカの製薬会社とFDA(Food and Drug Administration=米国食品医薬品局)が共同で制作した規定です。一方のUPFは1990年代に、紫外線量の多いオーストラリアとニュージーランドで定められ、今や世界的な規格になったものです。SPFは人の肌への影響度を計るのに対し、UPFは生地や衣服に対して評価をするものなので、試験方法も全く異なります。(SPFの試験方法は、日本化粧品工業連合会の測定基準 ISO24444に準拠します。)  SPFは、UV-Bをカットする指標です。SPF○○と数字との組み合わせで表記されます。この値が大きいほど効力を発揮します。UPFと同様にSPF51以上のものは50+と表記しなければなりません。UV-Bではなく、UV-Aをカットする日焼け止めクリームもあります。それはPA(Protection grade of UV-Aの略称)という表記になっています。PAのレベルは数字ではなく、4段階に分けられており、+が多いほど性能は高くなります。 高 「PA++++(UV-A防止効果が極めて高い)」 ↑.「PA+++(UV-A防止効果が非常にある)」  ↓.「PA++(UV-A防止効果がかなりある)」 低 「PA+ (UV-A防止効果がある)」  UPFと異なり、SPF・PA表記の商品はいずれも、塗り方や塗る量にムラがあると効果が発揮できない可能性があります。また肌への相性も個人差があるので、シチュエーションに応じて慎重に選んだ方が良さそうです。   ■マスダの “UVカット・遮光・遮熱ラインナップ” ~ UVカット + 遮光 + 遮熱 ~ <MH-9600>マジカルハーモニー“クロッキー” ・東レ“サマーシールド®”の特殊三層ラミネート素材 ・遮光性99:99%(JIS L 1055A法) ・遮熱性4℃以上低下(レフランプ法) ・紫外線遮蔽率99%以上 ・耐水圧20,000m ~ UVカット + 遮熱 ~ <SD-2230>シャダン・ソアリオンハニカム ・UPF50+ 紫外線遮蔽率98% ・KBセーレンの遮熱ポリエステル “SHADAN®”を使用 ・吸汗速乾 “アクアステルスUV”を使用 <SD-2020>シャダン・ブリスター ・UPF23 紫外線遮蔽率95% ・KBセーレンの遮熱ポリエステル“SHADAN®”を使用 ・吸汗速乾 “アクアステルスUV”を使用   ~ UVカット ~ <UT-132>打ち水ストレッチ ・UPF50+ 紫外線遮蔽率99.8% ・打ち水原理を応用した吸汗速乾機能“Uchimizu”   <TL-543>ドライ-ストレッチ ・UPF50+ 紫外線遮蔽率99.4% ・“ツインラインST”による吸水機能   <FD-200>ストレッチ ダルビータフタ ・UPF50+ 紫外線遮蔽率91% ・“プライムフレックス”によるストレッチ   <FT-4009>ヨーク・ノービル ・UPF50+ 紫外線遮蔽率99.5% ・ヨガウェア等に適したストレッチ性   <KS-2288>しん かがやきストレッチ  ・UPF50+ 紫外線遮蔽率99.2% ・SEK認定マークオレンジラベルの  制菌機能“マックスペック”を搭載 <FT-4455>ニュージャージーマル ・UPF50+ 紫外線遮蔽率99% ・“プライムフレックス”のストレッチ   <CL-9990>クールマックス 鹿の子 ・UPF50+ 紫外線遮蔽率98.1% ・“クールマックス”の吸水速乾機能   <ECO-1085>エコ・トーヤコ ・UPF50+ 紫外線遮蔽率98% ・東レの“セオα UV®”による吸水速乾機能 ・再生ポリエステル糸“エコユース”を使用 <EKS-052>クール・デ・ホットエクス ・UPF45 紫外線遮蔽率97% ・吸湿発熱→放室冷却→自己乾燥のサイクルにより  快適な衣服内環境を実現した“エクスライブ” ・抗菌防臭、PHコントロール等の多機能 <BEN-8989>ベン・ワールド ・UPF30 紫外線遮蔽率96% ・キュプラ素材“ベンベルグ”により接触冷感を実現   ~ UVカット機能のアパレル製品定番 ~ <TF-033>制菌ストレッチ長袖インナー ・UPF50+ 紫外線遮蔽率99.2% ・生地定番<KS-2288>しんかがやきストレッチ使用 ・半袖タイプの<TF-011>、ノースリーブの<TF-022>  スパッツタイプ<TF-088><TF-099>も展開。 <EC-1182>エコラブ®Tシャツ ・UPF50+ 紫外線遮蔽率98% ・時代が求める環境配慮型Tシャツ <EKS-110>エクスライブTシャツ ・UPF45 紫外線遮蔽率97% ・長袖タイプ<EKS-220>とVネックタイプ<EKS-330>も。 <MOST-906>モストクールTシャツ ・UPF30 紫外線遮蔽率96% ・着心地ひんやりキュプラ混の国産Tシャツ

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”生地屋“の機能性解説 ~防水素材とは?透湿防水素材とは?~

[”生地屋”の機能性解説]

”生地屋“の機能性解説 ~防水素材とは?透湿防水素材とは?~

<目次> ・防水とは?透湿防水とは? ―防水と撥水の違い― ・防水素材・透湿防水素材の“原理” ・防水素材・透湿防水素材の“用途” ・防水素材・透湿防水素材の“基準値” ・テキスタイル&アパレル マスダの“防水・透湿防水ラインナップ”   機能性に優れた上質な生地・アパレル製品を豊富にラインナップ。 ・「生地定番」一覧 ・「アパレル製品定番」一覧   お探しの生地・素材もきっと見つかります。 ・おしえて!マスダさん! ~こんな生地ないの? ■防水とは?透湿防水とは? -防水と撥水の違い-  「防水素材」「透湿防水素材」の解説に入る前に、混同されがちな「撥水(はっすい)素材」との違いから説明します。「撥水」とは「生地の表面に水がついた場合に、水を玉状にしてはじく」加工のことです。しかしながら、長時間雨にさらされたり、水滴の上から圧力が加わったりした場合には、撥水加工では防ぐことは出来ません。生地(織物・編物・不織布)は、糸を使って作られており、必然的に糸と糸との間に隙間があります。その隙間が通気性をもたらしたり、生地の柔らかさ・しなやかさの源になっていますが、その隙間があることで、水が生地の裏側に染み出す原因となります。肉眼では織り目や編み目がしっかり詰まっているように見えても、上から圧力が加わることで水滴は形を変えて生地の中に染み出てしまいます。「撥水」についてさらに詳しく知りたい方はこちらへ。  この生地目からの染み出しを防ぐ加工が防水加工、染み出しを防ぐことが出来る素材が防水素材です。防水素材は、水を通さないと同時に空気も通さない為、衣服にした場合に衣服内に湿気がこもり蒸れにつながります。その不快さを解消する為に進化した加工が透湿防水加工であり、それを施した素材が透湿防水素材です。 ■防水素材・透湿防水素材の“原理”  「防水」機能を出す手法は、大きく分けて2種類あります。一つはコーティング加工であり、もう一つがラミネート加工です。コーティング加工は生地の裏面に合成樹脂(アクリル樹脂やウレタン樹脂など)をベタ塗りし、生地目を完全に塞ぐ被膜を作る(coating)ことで水の染み出しを防ぎます。ラミネート加工は、生地とは別に用意したフィルムを生地面にはり合わせる(laminate)ことで水の染み出しを防ぎます。この二つは、生地面にドロッとした樹脂を塗り固めるか、あらかじめシート化したものをはり合わせるかの違いです。さらに、コーティング加工には乾式(かんしき)コーティングと湿式(しっしき)コーティングの2種類があります。乾式コーティングは、より簡便なコーティング手法で、樹脂を生地面に塗り、そのまま乾燥させる手法です。そして、湿式コーティングは、樹脂(主としてウレタン樹脂)を生地面に塗布したあと、凝固槽(ぎょうこそう:樹脂を固める設備)に浸漬(しんし)し、その後、水洗槽(すいせんそう)の中を通した後、乾燥させる手法です。  これらの違いはどこにあり、性能や特徴はどのように変わるでしょうか。  まず、コーティングとラミネートの違いは、機能と風合いに表れてきます。(ここからの説明は、メーカー毎で設備や技術などに違いがあるので、一般的な感覚としてご理解下さい。)コーティングは、直接樹脂を塗布して終わるのに対して、ラミネートはフィルムを作った上で、それを接着樹脂ではり合わせる分、ラミネート加工をする方が生地は厚くなります。反面、コーティングは樹脂を生地に直接全面に塗布するため、表生地の風合いが生かされにくい側面もあります。肝心の防水性については、フィルムをはり付けるラミネート加工の方が高くなることが一般的です。なお、ラミネート加工で透湿性を発揮させる場合には、フィルム自体に透湿性が付与されていなければなりません。  乾式コーティングと湿式コーティングの使い分けは、付与したい機能に応じてなされています。最も一般的な使い分けが、透湿性を発揮するウレタンコーティングを加工する際には、湿式コーティングが施されます。それに対して、透湿性は重視せず防水性に重きを置く場合には、より簡便な乾式コーティングが用いられます。この両手法による風合いの違いは一概には言えません。乾式コーティングの代表がアクリルコーティング、湿式コーティングの代表がウレタンコーティングと見た時に、アクリル樹脂よりもウレタン樹脂の方が柔らかい為に風合いはウレタンコーティングの方が柔らかくなりますが、これは加工手法の違いというよりも加工に使用した樹脂の特性の違いによるものです。  ここまでは防水素材の種類の違いについて、加工手法の観点から特徴・特性の解説をしてきました。続いて、「透湿防水」加工の「透湿性」という点にスポットライトを当てて解説を進めていきます。  「透湿防水」とは、衣服内の水蒸気や湿気を外に逃がして蒸れを防ぐ機能を兼ね備えた防水加工を言います。つまり、水を通さないことに特化した防水加工に対して、より快適な着心地を実現する為に液体である水が通ることを防ぎつつ、気体になった湿気だけは通すという非常に高度な加工技術です。この高度な機能をどのように発揮するかというと、雨や水滴よりも小さく、水蒸気の分子よりは大きな孔(あな)が開いた特殊な被膜・フィルムを用いることが一般的です。気体の状態の水粒子の大きさが0.0004μ(マイクロ)であるのに対して、液体状態の水粒子の大きさは100μ~3,000μであることを利用しています。ウレタン樹脂などに水溶性の有機化合物を混ぜて生地面に塗布した後に、水洗槽を通すことで有機化合物を溶かし気体が通過できる微多孔(びたこう)状のコーティング層を生成します。透湿性を発揮するフィルムを製造する場合も基本的には同じ理屈ですが、透湿フィルムには無孔質(むこうしつ)のタイプも存在します。このタイプは、フィルム自体が湿気を吸収し、外部へ放出します。透湿性は多孔質フィルムの方が高くなりますが、防水性は無孔質フィルムの方が高くなります。 ■防水素材・透湿防水素材の“用途” ・傘【防水】  防水が求められる用途といえばやはり傘です。傘としての防水性は、JUPA(日本洋傘振興会)の規定では、雨傘が耐水圧250mm以上、晴雨兼用傘が150mm以上とされています。 ・雨具(レインウェア、レインコート、雨合羽)【防水・透湿防水】  これらの雨具は、傘と異なり肌に接する衣服なので「透湿防水」加工が必要な製品です。機能をうたうのに必要な基準は特に定められていませんが、使用するシチュエーションによって、耐水圧(※下記コラム参照)の高い生地を使用することが重要です。例えば、登山のような雨に打たれ続けることで命の危険に関わってくる場合は、20,000mm以上のものが必要になってきます。 <耐水圧の目安> 小雨 :耐水圧 300mm 中雨 :耐水圧 2,000mm 大雨 :耐水圧 10,000mm 嵐  :耐水圧 20,000mm  登山する際の装備品(ウェア、テント、寝袋など)も天然繊維が主流の時代は、生地の重さの分、持参する装備を少なくせざるをえませんでした。しかし、合繊機能素材の進化により軽くて高い機能を持つ装備品が開発され、その分、山に滞在出来る期間は長期化しています。登山家が難攻不落の高い山へチャレンジしていく裏側を、繊維素材の進化が支えています。 ・スキーウェア・スノーボードウェア【透湿防水】  ウィンタースポーツシーンにおいて、「防水」加工は特に大切です。雪の上に座る・倒れるなどにより、人の体重による圧力がかかると「防水」機能がなければびしょびしょに濡れてしまいます。濡れた場所に座るのであれば最低でも2,000~3,000mm、よりハードに使用されるのであれば10,000mm以上の素材を使用することをお勧めします。水の熱伝導率は空気の20倍以上(約25倍)と言われ、衣服が水を含むと体温が奪われてしまいます。又、運動時にかいた汗がなかなか乾かなければ、蒸発熱により更なる体温低下に繋がるので「透湿」機能も重要です。 ・ランニングウェア・トレーニングウェア【透湿防水】  防水素材は水を通さないように生地目を塞いでいるので、風を通さない防風素材であるとも言えます。「防水」と「防風」機能があることで、咄嗟の雨でもウェアが重くならず、体も冷えにくくになります。さらに「透湿」機能があれば、運動時の汗で衣服内が蒸れたり、体にはりついて運動能力を妨げたりすることも軽減します。ウェアの透湿度に、この数値以上でなければならないという基準はありません。しかし、透湿性は防水性と相反する機能であり、用途に応じた適切なバランスの素材を選ぶ事が求められます。一般的に言われる運動時の発汗量は、軽い運動であれば1時間あたり約500g、ランニングウェア等の激しい運動では1時間あたり約1000gの汗が発汗されると言われています。(体質や気候によって変動します。) ・サウナスーツ【防水】  人が着用するものであっても、防水加工のみであえて透湿機能は不要という用途も考えられます。サウナスーツはトレーニングウェアの一種ですが、身体から大量の汗を出すことを目的としている為、密閉度の高い防水素材を使うことで、体から発した熱や汗を逃さずさらなる発汗を促します。この場合は透湿性がない方が効果的になります。 ・介護用品(シーツ・おむつカバー・エプロンなど)【防水】  介護用品にも「防水」素材が使われます。例えば、寝たきりの方向けの防水シーツやおむつカバーがあります。もし汚れてしまったとしても、コーティングやフィルムが下に敷かれたマットレス等への浸透を防ぎ清潔を保ちます。介護者にとって日頃のケアが楽になります。  なお、当社は介護用防水シーツも取り扱っておりますので、あわせてご覧下さい。 【コラム】耐水圧って何?どれくらいあると十分?  耐水圧5,000mm以上と聞いても、多くの人はピンとこないのではないでしょうか?これは、1.5cm×1.5cmの生地上に、高さ5,000mm(=5m)の水柱があっても水もれしないことを表しています。同様に、耐水圧1,000mmであれば、1mの水柱があっても水漏れすることはないということです。水には質量があり、より高い水柱になれば、水の重さによって生地により大きな圧力がかかります。それに耐えられる機能を防水性の目安と表現しているのです。  では、どれ位あると十分と言えるのでしょうか?それに対する正しい回答は、「用途次第」になります。防水性は、普遍的な基準が存在せず、防水性が求められる用途毎に適した生地を選んでいく必要があります。とは言うものの、一般的に防水素材というには、傘で求められる250mmが最低基準と言えそうです。加えて、生地屋の感覚で言わせて頂くと、5,000mm~10,000mmあると「高い」、20,000mm以上あると「すごく高い」といったところでしょうか。下部に当社の防水素材のラインナップを掲載していますので、是非参考にご覧ください。  また、当社のラインナップの中にも入っていますが、紡糸・製織技術の進化により、糸を高密度に織り上げることでコーティングやラミネート加工を施すことなく防水性を発揮させるノンコーティングタイプの防水素材も生まれています。しかしながら、実現することが出来る防水性は、優れたものでも500~1000mm前後であり、コーティングやラミネートタイプの防水素材に比べると見劣りします。しかし、その分風合いや通気性に優位性を発揮します。防水性と通気性はどうしても相反する機能になりますので、結局は使用される用途に合わせて最もマッチする素材を選択することが最適になります。どの素材が最適か判断がつかない場合には、是非当社にご相談ください。 ■防水素材・透湿防水素材の“基準値”   防水・透湿防水機能のある商品には「耐水圧:10,000mm以上」や「透湿性:8500g/㎡・24h以上」の表記がされていますが、これはJIS規格で定められた試験に基づいた数値です。これらの数字が大きいほど性能が良いことを意味しています。以下では代表的な試験方法を紹介します。 <防水素材の試験方法> ・防水性試験:JIS L 1092 耐水度試験(静水圧法) A法(低水圧法)  方法:試験装置(低水圧用)に試験片(約15cm×15cm)を取り付け、水位を上昇させて、試験片の3ヵ所から水が出たときの水位(mm)を測ります。 <透湿素材の試験方法> ・透湿度試験:JIS L 1099 塩化カルシウム法 (A-1法)  方法:カップに吸湿剤を入れ、試験片(直径7cm)の表側を下にして、カップ上部を覆います。これを40℃×90%RHの環境を保つ装置入れます。一定時間経過後の、吸湿剤の質量を測り、透湿度(g/㎡・h=1㎡辺りn時間(h)で何gの水蒸気を排出できたか)を求めます。 ・透湿度試験:JIS L 1099 酢酸カリウム法 (B-1法)  方法:30℃の恒温装置の中に、23℃の水が入った水槽を置きます。計測したい生地の裏面が水槽内の水に浸るよう固定します。吸湿剤(酢酸カリウム飽和溶液)の入ったカップを、測定用補助フィルムで密閉します。このフィルム面が生地に接触するように倒立させて設置し、15分放置します。生地を通過して酢酸カリウム飽和溶液が吸湿した水蒸気の排出量を測定します。 ■テキスタイル&アパレル マスダの防水・透湿防水ラインナップの紹介 「防水」素材の【生地定番】 <MH-9600>マジカルハーモニー “クロッキー”(日本製) ・特殊三層ラミネート ・耐水圧 20,000mm ※防水機能のみのため、透湿性はなし   <TM-22M>しんサガタフタ(日本製)  ・アクリルコーティング ・耐水圧 660mm ※防水機能のみのため、透湿性はなし   「透湿性能」付き防水素材の【生地定番】 <CD-3030R>カチオンマルチストレッチ(日本製) ・ポリウレタンフィルムラミネート ・耐水圧 15,000mm ・透湿度 15,000g/㎡・24h  <HB-81>ハイ・ブリザテック(日本製) ・フィルムラミネート+トリコット ・耐水圧 11,000mm ・透湿度 8,500g/㎡・24h <PT-1>プリンテック・ワン(日本製) ・フィルムラミネート+プリント ・耐水圧 8,000mm ・透湿度 8,000g/㎡・24h   <TEC-5000>テクノロン5000(日本製) ・ウレタンコーティング ・耐水圧 5,000mm ・透湿度 5,000g/㎡・24h <WX-503>メモリッシュ・タッサー(日本製) ・ノンコーティングタイプ ・耐水圧 1,100mm ・透湿度 6,600/㎡・24h  <DF-700R>ニューテキスタイルハンター(日本製)  ・アクリルコーティング ・耐水圧 640mm ・透湿度 4,980g/㎡・24h     「防水」性能の【アパレル製品定番】 <TA-4005R>防水エプロン(日本製) ・リネン洗濯対応の耐熱フィルムラミネート加工 ・丈が長いので、足回りもしっかり防水   <GR-5010>裏付きハーフコート(日本製) ・生地定番<GR-501>グレイトツイルを使用 ・アクリルコーティングによる防水加工 ※縫い目は止水していないため、レインウェアとしては使用できません。   <CHN-3300>スペクトコート®(裏ボア) <CHN-2200>スペクトハーフコート(裏ボア) ・アクリルコーティングによる防水加工 ・しっかり防寒したい方はロング丈 ・防寒しながらもアクティブに動きたい方はハーフ丈   <CHN-700>ブライトブルゾン <CHN-550>ブライトベスト ・アクリルコーティングによる防水加工 ・発色性の良い15色展開。イベントの定番ブルゾン ・夏でも着やすいベスト型もあります。   機能性に優れた上質な生地・アパレル製品を豊富にラインナップ。 ・「生地定番」一覧 ・「アパレル製品定番」一覧   お探しの生地・素材もきっと見つかります。 ・おしえて!マスダさん! ~こんな生地ないの?

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”生地屋“の機能性解説 ~撥水(はっ水)素材とは?防水素材との違い~

[”生地屋”の機能性解説]

”生地屋“の機能性解説 ~撥水(はっ水)素材とは?防水素材との違い~

<目次> ・撥水(はっすい)とは?-撥水と防水の違い-  ・撥水の“原理” ・撥水の“用途” ・撥水の“基準値” ・テキスタイル&アパレル マスダの“撥水ラインナップ”   機能性に優れた上質な生地・アパレル製品を豊富にラインナップ。 ・「生地定番」一覧 ・「アパレル製品定番」一覧   お探しの生地・素材もきっと見つかります。 ・おしえて!マスダさん! ~こんな生地ないの? ■撥水(はっすい)とは? -撥水と防水の違い-  「撥水(はっすい)」とは、生地に付着した水を球状にしてはじく加工です。撥水性があることで、生地自体が濡れてビショビショになることを防ぎ、付着した水を拭き取りやすい状態にします。  日常的に使用していたり洗濯することにより、撥水の効力が落ちていくことがありますが、この性能をより長持ちしやすくしたものが「耐久撥水」と呼ばれます。  撥水素材の注意点としては、撥水加工だけでは環境などによっては水の浸み出しを防ぐことが出来ないという点です。生地(織物・編物・不織布)は糸を用いて作られており、糸の間に隙間がある為、長時間の雨や水滴の上から更なる圧力が加わるような環境(例えば、雪の上に座るような場合)の場合は、撥水加工だけでは水の透過を防ぐことは出来ません。「撥水」と混同されがちな言葉として「防水(ぼうすい)」という言葉がありますが、これは全く異なる機能です。「防水」とは「生地面に被膜を作り、水が生地の裏側へ浸み出すことを防ぐ」加工であり、撥水加工だけでは耐えられない部分を補完する加工と言えます。より軽い用途向けに撥水加工のみが施された商品は多くありますが、防水加工のみが施され撥水加工が施されない商品はあまり多くありません。理由は、水の浸み出しを防ぐために防水加工を施す場合には、生地表面に水が付着しづらい方が防水性の向上にも優位に働くためです。※防水素材・透湿防水素材についてはこちらで詳しく解説しています。  ちなみに、油をはじく撥油機能もまた、撥水機能とは別のものです。水をはじく素材だからといって必ずしも油をはじくわけではありません。その為、微量な油分を含んでいたりする雨などの自然界の水分が付着することで、生地が本来持っている撥水性能を発揮させないこともあるのです。 ■撥水の原理  「撥水(はっすい)」というワードは、繊維の機能に関する名前の中でも知名度が高く、一般の方でも比較的なじみのある言葉ではないかと思います。しかし、当サイトでは、「撥水とは、水をはじく機能です」で済ますのではなく、もう少し掘り下げて「撥水」というものを解説してまいります。  「撥水性がある素材」というのは、水滴を生地の表面に垂らした場合にコロコロと玉状になります。この原理をより正確に説明すると、繊維素材がそうさせているのではなく、水が本来持つ性質を引き出していると言えます。というのも、水分子(みずぶんし)は本来的に水分子同士が引き合う凝集力(ぎょうしゅうりょく)というものを持っており、水と触れる繊維(物質)が水の分子を引き寄せる力をより小さくすることで、水自身の持つ表面張力を発揮させ玉状にしているのです。逆に言うと、生地が濡れるという状態は、水分の表面張力よりも生地表面が水分を引き寄せようとする力が強くなった時に水分子が生地表面に吸着され広がった状態を言います。 撥水がかかっている状態:生地と液体の間に働く吸着力<液体の凝集力 撥水がきいていない状態:生地と液体の間に働く吸着力>液体の凝集力  前述した「水をはじくことと油をはじくこととの違い」は、水と油で表面張力が異なることに起因しています。油は水よりも表面張力が弱く、生地表面が引き寄せる力に負けてしまいやすく、油は生地に染み込みやすいのです。水の表面張力は約70mN/m、油の表面張力は約20~30mN/mと言われています。その為、水をはじくからといって油をはじくとは言えませんが、油をはじくものは水もはじくというのが基本的な考え方です。(特殊なアプローチで撥油性能を発揮させている場合は合致しないかもしれません。) <さらに深く>水はなぜ玉状になる性質があるの?  水分中の水分子は、他の水分子から分子間力(ぶんしかんりょく)という力を受けています。水の中でも中心に近い水分子は、周囲の水分子からもほぼ同じ力を受けている為、比較的安定しています。しかしながら、水の中でも表面に近い水分子は、中心側の水分子から受ける分子間力と空気中に浮遊している分子から受ける分子間力とで力が異なり、不安定な状態にあります。その為、表面近くに存在している水分子は、自身の受ける力を安定させる為、中心側へと潜り込もうとする力が生まれます。その結果、液体の中で、表面積が最小となる球体になろうとする力が働くのです。この液体の表面積を最小にしようと中心側に集まろうとする力の事を「表面張力」と言います。  水滴は触れる物質や、大気中の分子間力以外にも当然に重力の影響を受けます。水滴の体積が小さいうちはその質量も小さく、受ける重力よりも分子同士が引き合う分子間力(凝集力)が勝り水滴状を維持します。しかしながら、水滴の体積が大きくなるとその質量が大きくなり、重力の力が勝り、その結果、水滴の状態がつぶされていきます。   生地の表面が水滴や水性の汚れをはじくためには、生地が水分子を引き寄せる力を下げる必要があります。そこで、染色加工後の加工として、他の分子を引き寄せる分子間力が極めて弱いフッ素系やシリコン系の加工剤を生地表面に被覆させます。そうすることで生地面に「撥水基(はっすいき)」と呼ばれる分子レベルの細かい突起物をたくさん作り、水滴をはじかせているのです。撥水基は目に見えませんが、細かい産毛のように並んでおり、撥水基が立っている状態であれば水滴は水の持つ表面張力が勝り、玉状になって流れ落ちていきます。しかし、汚れが付着したり、生地同士が摩擦を受けたりすることによって、撥水基が倒れていくと撥水効果が弱くなっていきます。     <撥水についての最新情報>  このフッ素系加工剤は、表面張力が最も低い「パーフルオロアルキル基(Rf基)」という構造をもった加工物を原料としており、シリコン系加工剤やワックスに比べても高い撥水性と耐久性を発揮します。しかしながら、21世紀初頭からこのフッ素系加工剤にわずかに含まれるPFOA(パーフルオロオクタン酸)という物質が、地球環境や人体へ悪い影響を与えているのではないかと指摘されるようになりました。その為、ごく微量のPFOAを不純物として含んだ8個以上の炭素で構成されるC8テロマー(Rf基の構造を有する化合物)を原料としたフッ素系加工剤(通称C8撥水剤)の使用は、2015年を境に使用されなくなっています。それに代わり、PFOAを含まない炭素数が6個のC6タイプの加工剤(通称C6撥水剤、あるいはPFOAフリー)ならびにそもそもフッ素を使わない非フッ素系加工剤(通称C0撥水剤、あるいはフッ素フリー)を使用した撥水素材へと切り替わっていっています。  地球環境や人体への悪影響が懸念される以上はやむを得ないのですが、C8撥水剤に比べC6撥水剤は剤自体の撥水性能が劣る為、生地の撥水性を維持するにはより多くの加工剤を生地に付着させる必要が生じ、結果として風合いが変化したり、風合いを同じにしようとすると撥水性が低下するといった悩ましい問題も生じています。C0撥水剤については更に難易度が高く、手に付着したわずかな油などが生地に残ってしまったりするという課題もあり、加工技術の進化が待たれています。(当社の定番商品の撥水剤は全てC6タイプの撥水剤になっています。) 【最新情報】2021年10月22日(金)追記  2019年5月に開催されたストックホルム条約第9回締約国会議において、C8撥水剤が廃絶対象物質として指定されたことを受け、日本でも2020年4月に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)施行令の一部を改正する政令」が閣議決定され、同年10月22日(金)からC8撥水剤を使用した加工生地および製品の輸入が禁止されることとなりました。 【コラム】「撥水」の復活のさせ方とは?  「お気に入りのアウターがあるけれど、近頃撥水力が弱まってきた・・・」と感じ、撥水スプレーをかけようと悩んでいる方、シミになるのが怖いですよね。又は、気に入っていて愛着もあるけど、あきらめて買い替えを検討されている方。“生地屋”ならではのメンテナンス方法を紹介します。  レインウェアは、雨に多少濡れたからといってあまり洗濯しないという人がほとんどだと思います。しかし雨の中に含まれる汚れや、着用した時についた皮脂の汚れが撥水力に影響を及ぼしている可能性があります。ウェアの撥水性能は、上で述べたように「撥水基」の状態によって変わってきます。付着した汚れを落とし、熱を加えることで撥水基が起き上がり、撥水性能はある程度回復します。  手入れする際の注意点としては、なるべく生地へのダメージが少ない方法で洗濯することです。1着程度あれば手洗いがベターです。洗濯機に入れる際は、生地同士の摩擦で傷がつかないように、ファスナーやボタン、マジックテープは閉じ、洗濯ネットに入れましょう。 また、洗濯後に洗剤が残ってしまっていると、生地の織り目を塞ぐこととなり、透湿性に影響が出てきますので、しっかりと洗剤をすすぐことも大切です。しっかり汚れを落とした後は、紫外線で生地やポリウレタンのフィルムが痛まないように、お風呂場などの日陰で吊干しにして乾かしましょう。乾燥させた後に、低温当て布でアイロンをかけるか、ドライヤーで温風を当てます。レインコートにアイロン?ドライヤー?と思うかもしれませんが、この熱が撥水基を復活させるのに重要なのです。  ※素材によって、適正なメンテナンスの条件が変わりますので、必ず洗濯絵表示を参考にして下さい。特に、ポリエステルやナイロン素材は、高温の熱を当てると溶けて、商品を駄目にしてしまうので十分に注意して下さい。    ■撥水の用途 ・雨具(傘、雨合羽、レインコート) ・アウトドア用品(タープ、テント)  撥水機能といえば、まず雨具です。屋外でのスポーツや作業では、とっさの雨から体や衣服を守ってくれます。アウトドア向け、特に登山用品などは「山の天気は変わりやすい」と言われるように、いつ雨に打たれるか分からないため、撥水機能は必須です。ほぼ全てのアウトドア用品に撥水加工がなされています。これらの用途は、長時間雨に当たることも想定されているので、縫い目に止水テープがされていたり「(透湿)防水」加工も同時に施されていたりすることが大半です。 ・ユニフォーム、エプロン  作業着には汚れがつきまとうものです。撥水機能があれば、水滴だけではなく水性の汚れもはじくことができます。(油汚れは別)汚れをはじくことで繊維に染み込みにくくなっており、サッと拭き取ることが可能です。作業着の清潔感を支えている機能の1つが撥水加工です。 ・鞄、バッグ  これらの用途は、中に収納している物を濡れないようにする役目があるので、撥水が必要になります。毎日洗濯機に入れて洗うものではない為、耐久撥水でなくとも撥水機能は長持ちします。 ■撥水の基準値 撥水効果があるかどうかは、JIS L 1092に基づいて試験を行います。 ◎撥水度試験(スプレー試験)  試験片となる生地を45℃に傾けた状態で器具に設置し、250mlの水を30秒間、シャワーのように散布します。軽く水滴を落とした後、目視で湿潤(しつじゅん)状態を比較します。  その後、湿潤状態を確認し、以下の1(悪)~5(良)級のどれにあたるかを判断します。  5級:表面に湿潤及び水滴の付着がないもの  4級:表面に湿潤しないが、小さな水滴の付着を示すもの  3級:表面に小さな個々の水滴状の湿潤を示すもの  2級:表面の半分に湿潤を示し、小さな個々の湿潤が布を浸透する状態を示すもの  1級:表面全体に湿潤を示すもの  コート類の製品に撥水があることをうたう場合、JIS L 1092に規定されている洗濯処理(又はドライクリーニング処理)を3回行った後、撥水度試験で2級以上の結果が出なければ、撥水の明記ができません。(家庭用品品質表示法で規定)  (逆に言えば、撥水と明記があるコート類の製品は、2~3回の洗濯で撥水機能が完全になくなってしまうことはないということです。)  「耐久撥水」の場合、JIS L 1092撥水度試験(スプレー試験)の検査基準が厳しくなります。具体的には、前処理として水洗い処理30回 or ドライクリーニング処理10回を行い、水洗い処理後の場合は4級以上、ドライクリーニング処理後の場合は3級以上の湿潤状態であることが求められます。 ■テキスタイル&アパレル マスダの撥水ラインナップの紹介 当社は撥水素材について業界随一のラインナップを誇っています。 一部をご紹介させて頂きます。( ▼ をクリックすると展開します。) [table id="table1"] その他、合計90マーク以上の「撥水」生地定番を取り扱っています。   [table id="table6"] 他にも、「撥水」機能付きアパレル製品定番を取り揃えております。   機能性に優れた上質な生地・アパレル製品を豊富にラインナップ。 ・「生地定番」一覧 ・「アパレル製品定番」一覧   お探しの生地・素材もきっと見つかります。 ・おしえて!マスダさん! ~こんな生地ないの?

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“生地屋”の機能性解説 ~吸水速乾素材(吸汗速乾素材)とは?~

[”生地屋”の機能性解説]

“生地屋”の機能性解説 ~吸水速乾素材(吸汗速乾素材)とは?~

<目次>・吸水速乾(吸汗速乾)とは? ・吸水速乾(吸汗速乾)の用途 ・吸水速乾(吸汗速乾)の原理 ・吸水性の基準値 ・速乾性の基準値 ・テキスタイル&アパレル マスダの吸水速乾ラインナップ ■吸水速乾(吸汗速乾)とは? 「吸水速乾(きゅうすいそっかん)」は、生地に付着した汗などの水分を素早く吸収し乾燥させる性能のことを指します。衣料用生地で用いられる場合は、主に吸う対象が「汗」である為、「吸汗速乾(きゅうかんそっかん)」とも呼ばれます。 世の中では、既に「吸水速乾」あるいは「吸汗速乾」で一つの単語として認知されつつありますが、厳密には「吸水性(吸汗性)」と「速乾性」という2つの機能を併せもった機能素材を意味しています。素早く吸うからといって、必ずしもすぐに乾くというわけではなく(例:ぞうきん、タオル)、またすぐに乾かす力はあるが、吸う力が弱いものもあります。(例:形態安定タイプのワイシャツ) 「吸水性」「速乾性」ともに優れた吸水速乾生地で作った衣服は、衣服内気候(皮膚と衣服の間の温度・湿度・気流)を快適に保ち、蒸れ等の不快感を抑えることができます。 汗で濡れた衣服を長時間着用していると体が冷えてしまいます。吸水速乾性を持ったウェアを着用することで、かいた汗を素早く吸い上げ、そして生地を素早く乾かし、体の熱が奪われていくのを防ぎます。また、洗濯した後も乾きやすくなるというメリットがあります。■吸水速乾(吸汗速乾)の用途・スポーツウェア、アウトドア  汗をかくシチュエーションの代表例といえば、やはりスポーツやアウトドアです。吸水速乾素材なら、汗をかいても肌離れが良くベタ付き感を軽減します。汗だけでなく多少の小雨も乾きやすいので、身体の冷えを抑止することができます。・ユニフォーム  「チームや組織内で共通した衣服を着ることで、チームや組織に一体感をもたらす」という役割のあるユニフォームは、寒暖の調整をしたいからといっても自分だけが別の衣服を着用することが難しい場合もあります。吸水速乾の生地を使うことで、暑がりな人が着用することの抵抗感を薄められます。また、作業などを通して汗をかくことが予測される場合には、労働者のストレスを軽減する意味においても必要になってきます。・パジャマ、インナー ・寝装寝具(シーツ、枕カバー)  起きたら寝汗でびっしょりだったという経験はありませんか?人は寝ている間にもコップ1杯分(200ml前後)以上の汗をかきます。吸汗速乾性のパジャマやインナー、寝装寝具類を使うことで、睡眠を質をぐっと上げることができます。汗冷えによる風邪対策にも最適です。・マスク  飛沫感染の対策として、マスクの着用シーンは多くなりました。しかし、夏場のマスクの中はとても蒸れやすくなっています。蒸れたマスクの中は雑菌が繁殖しやすい環境になっており、汗疹(あせも)やニキビの発生原因にもなりえます。吸汗速乾のマスクがあれば、蒸れを軽減させることができるでしょう。【コラム】綿素材のスポーツウェア!? 今では信じられませんが、一昔前はスポーツをする際のウェアも綿素材で作られていることが一般的でした。綿といった天然繊維は、ポリエステルを代表とした合成繊維よりも繊維の比重が重い上、細い糸を作ることが難しい為に生地自体も分厚く、重いウェアが当たり前でした。その上、更に汗をかいていくにつれてウェアの重みが増し、運動能力の妨げになっていました。 今では、ランニングウェアでも汗を吸うのではなく、逆に撥水性のある生地を使用することで、汗を吸わせず、下に落としていくといった商品企画もなされています。 このように、ウェアの企画と生地の機能性をうまく組み合わせることで、より高い着心地を発揮する衣服が作られていっています。私達を興奮させてくれる一流アスリートのプレーの進化は、繊維の進化が支えています。■吸水速乾(吸汗速乾)の原理 皆さんのイメージの中では、「綿素材は水をよく吸う」というものがあるかと思います。しかしながら、世の中の吸水速乾素材は、ポリエステルを用いられているケースがほとんどです。その理由は「速乾性」にあります。 綿は、天然の繊維で、確かに水分をよく吸収します。その為タオル・ぞうきん・ハンカチなどは今でも綿素材が中心です。しかし、綿は繊維自体が水分を吸いこんでしまう為、なかなか乾きません。その一方で、ポリエステルを中心とした合成繊維は、繊維自体は水分を吸いません。糸や生地の隙間に一時的に水分を溜め込むにとどめ、繊維内部までは水分が浸透していない為、綿を中心とした天然素材には出せない速乾性を発揮できるのです。繊維自体が水分を吸い込まない性質のことを疎水性(そすいせい)といいます。※疎水性の対義語は親水性(しんすいせい)といいます。 しかしながら、ポリエステルを中心とした合成繊維の持つ疎水性は、理屈上は水を吸うこと(吸水性)には適していません。年輩の方の中に「化学繊維(ポリエステル)の洋服は水を吸わない」というイメージをお持ちの方がいらっしゃると思います。うまく吸水がなされなければ、生地がベタっと肌にはりついて不快感の原因になるからです。その意味では、そのイメージは正解です。ただし、繊維の技術は進化しています。こうしたポリエステルの弱点を補完するために生まれた工夫が「糸を変える」、そして「生地組織構造を変える」というものです。 「糸を変える」とは、繊維の断面を異型にしたり、糸の組み合わせを工夫することで、毛細管現象を発現させて水の移動を促進させます。毛細管現象とは、液体が重力を無視して広いところから狭い(細い)ところへ移動していこうとする現象のことを言います。  「生地組織構造を変える」というのは、生地面を表側と裏側(肌側)で異なる組織構造にすることで、毛細管現象を発現させて、水分を表側に薄く広げることで表面積を増やして乾きやすくするというものです。  又、糸や生地の隙間に水分を溜め込まなければならない為、一度に大量の水分や汗を吸収するには、糸や生地の中にどれだけ多くの微細な空間をつくり出せるかが着心地を左右します。その点において、日本製生地(テキスタイル)の丁寧な糸作り・生地作りが優位性を持っています。 以上のように、本来的には疎水性であるポリエステルを使って優れた吸水性を発揮させるには、様々な工夫が必要です。  しかし世の中には、後加工として親水性に優れた加工剤を塗布することのみで吸水速乾性をもたせようとする商品が大半を占めています。こうした後加工のみによる吸水速乾性は、繰り返しの洗濯によってだんだんと効力が落ちていきます。もっと酷いものでは、ポリエステルを使用しているだけで吸水速乾(実際には水は全然吸わない)を標榜する商品もあるので注意して下さい。反対に、糸や織り、編みの段階から最適に組み合わせていくことで、その効果は恒久的なものとなります。このように、糸の段階から様々な工夫を加えることで、水分を吸わないというポリエステルの弱点を補い、強みに変えたものが、吸水速乾素材です。■吸水性の基準値JIS(日本産業規格)L 1907 : 2010に基づく試験方法が3つあります。 ①沈降(ちんこう)法(主にタオル向け)  方法:1㎠の生地片の肌面側を水面につけて、沈むまでの時間を計測する方法です。  結果:生地片が60秒以内に沈めば、吸水性があると認められます。 ②バイレック法(主に靴下向け)  方法:縦長に切った生地を、垂直になるように水に浸します。その後、水をいくら吸い上げたかの高さを計測します。  結果:10分後に水面から約8cm以上上昇していれば合格です。   ③滴下(てきか)法(最も一般的に利用される試験方法)  方法:生地をピンと張りフラットにした状態で、肌に触れる面にスポイドで水を垂らし、水滴が見えなくなる(平面になる)までの時間を計測します。  結果:カジュアル等の一般用途向けは、10秒以内に水の表面張力がなくなるまで吸水すれば合格です。しかしスポーツウェア用途では、1秒以内の吸水を求められる場合があります。■速乾性の基準値速乾性の基準値は、JISに定められた試験方法はありませんが、「拡散性残留水分率」を調べる方法があります。 ◎拡散性残留水分率試験  方法:10cm×10cmの生地片の質量を測定して、水を0.6ml滴下し、標準状態(20℃、湿度65%rh)で吊り干しにし、一定時間後にその質量を測定します。  結果:特定の時間以内に、残留水分率が10%以下になればOKです。素材によって測定時間が変わります。 <例> ※基準値は検査機関によって異なります。  ・セルロース織物:65分  ・セルロースニット:75分  ・合成繊維100%織物:45分  ・合繊繊維100%ニット:55分■テキスタイル&アパレル マスダの吸水速乾ラインナップの紹介【生地定番(日本製)】 ・エコ・トーヤコ<ECO-1085>   【アパレル製品定番(日本製)】 ・エコラブ®Tシャツ<EC-1182>   【生地定番(日本製)】 ・ブライトキング<BK-966>   【生地定番(日本製)】 ・新ミスター介護士<MR-844>   【アパレル製品定番(日本製)】 ・コンフォートジャケット<CF-111> ※生地定番<BK-966>もしくは<MR-844>使用 同素材使用品番コンフォートパンツ<CF-999>とセットアップ可能です。 【生地定番(日本製)】 しん かがやきストレッチ<KS-2288>    【アパレル製品定番(日本製)】 制菌ストレッチ長袖インナー<TF-033> ※生地定番<KS-2288>使用 他にも半袖タイプの<TF-011>、ノースリーブの<TF-022>、スパッツタイプ<TF-088><TF-099>も展開しています。  【その他の生地定番】■織物 <UT-132>打ち水ストレッチ 日本古来の涼対策「打ち水」の原理を応用した気化促進素材 <TL-543>ドライ-ストレッチ  吸水性、ストレッチ性、ドライタッチが魅力 <GR-3150>グレースツイルストレッチ  制菌機能のユニフォームに最適素材 ■丸編 <BF-4416>e-ガヤ  東レ「フィールドセンサー®」の吸汗速乾素材! <BF-4520>ドットクール  スポーツウェアに最適。東レの「セオα」を使用 <BF-4624>アミーナ  ほどよい光沢の東レ「フィールドセンサー®」素材 <AIR-155>エアレットプロ  表はカジュアル、裏はドライタッチのカジュアル機能素材 <EKS-052>クール・デ・ホットエクス  自己乾燥能力をはじめとした多彩な機能を持つ優れもの <BR-211>ルミネット  スポーティなゲームシャツで使われる光沢のある吸水速乾素材 <BB-422>新ブライトブリスター  表面の凹凸感が特長のブリスター素材 <BEN-9006>ベン・クール  裏面に使ったキュプラが接触冷感性をもたらします。 <BEN-8989>ベン・ワールド  UVカット機能を備えた接触冷感吸水速乾素材 <SK-2525>ナデシコ・ニット  特殊セラミックを練り込んでいます。 <SS-755>カールイ・ドライ  軽くて快適。東レ「フィールドセンサー®」素材 <SD-2020>シャダン・ブリスター  遮熱性もある吸水速乾ブリスター素材 <SD-2230>シャダン・ソアリオンハニカム  熱と紫外線を遮断するハニカム素材。遮熱効果は温暖化対策 ■天竺 <FT-4455>ニュージャージーマル  綿ライクなソフト風合いの高機能素材                   (吸水性・防透け性・UPF50+) ■トリコット <M398KB>ダブルメリットメッシュ 吸汗速乾機能と帯電防止機能がW(ダブル)メリット <TC-7540>トリコット鹿の子  抗菌防臭加工で清潔感UP <FT-4009>ヨーク・ノービル  よーく伸びるよ。ヨガウェア等にどうぞ ■ハニカム <CL-9990>クールマックス鹿の子  人気のクールマックス素材!【その他のアパレル製品定番】 ■Tシャツ <AIR-010>エアレット®Tシャツ 「カジュアル機能性Tシャツ」シリーズ  ※他AIRシリーズはこちら <MOST-906>モストクールTシャツ  着心地ひんやりキュプラ混Tシャツ <EKS-110>エクスライブTシャツ  「超絶多機能Tシャツ」シリーズ  ※他EKSシリーズはこちら <DRY-200>ドライタッチTシャツ  価格と機能のバランス重視 <DRY-202>ドライタッチ長袖Tシャツ  オールシーズン使えるドライ長袖Tシャツ ■ポロシャツ <DOT-900>Vネックゲームシャツ  スポーティ&スタイリッシュ! <EG-210>サイドラインジップシャツ  スポーティ&ファッショナブル! <DRY-400>ドライタッチ半袖ポロ  価格と機能のバランス重視 <DRY-600>ドライタッチボタンダウン  好感度No.1ニットシャツ ■その他 <VIP-23>メッシュベスト  ソフトタッチな国産ベスト <ABO-50>スポーツキャップ  クールマックス®素材のキャップ <NEC-220>ネッククーラー  濡らすだけのお手軽酷暑対策 “生地屋”の機能性解説(トップページ) ・吸水速乾(吸汗速乾)とは?   ・抗菌防臭・制菌とは?

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