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“生地屋”の機能性解説(吸水速乾・はっ水・防水・花粉対策・UVカット・抗菌・制菌・制電・保温・高視認)

[”生地屋”の機能性解説]

“生地屋”の機能性解説(吸水速乾・はっ水・防水・花粉対策・UVカット・抗菌・制菌・制電・保温・高視認)

 当社が主として取り扱っているポリエステルやナイロンといった「合成繊維」は、綿・麻・シルクといった「天然繊維」を真似て作ることからスタートしてきました。半世紀以上の時の中で、天然繊維の持つ弱点を補う形で進化し、今も尚、その進化は止まることを知りません。    合繊繊維は、天然繊維と異なり人工的に作り出されたものであるが故、加工がしやすく優れた「機能性」を持たせやすい繊維です。まさに、合繊繊維の進化の歴史は、人々の「こうだったら良い」を実現してきた歴史と言えます。  わずか20年前はまだ「洋服はやっぱり天然繊維が本物で、ポリエステルは偽物」というイメージが根強く残っていました。しかし、今では着用者の快適性を追求し進化した合繊繊維は、ファッションの分野においても一定のステータスを確立しています。    合繊繊維の機能性は、想定されるシーンごとに役割があり、撥水や防水、吸水速乾、UVカット等、その種類は多岐にわたります。こうしたキーワードは、ショップや通販サイト等でも目にふれる機会が増えています。「このレインウェア、耐水圧10000㎜と書いてあるけど、それって凄いの?」「UPF50+のプラスって何?そもそも50は何の数値?」などと疑問を感じたことはありませんか?    本特集では“生地屋”マスダが、機能性にはどのようなものがあるのか?どういった基準があるのか?などの疑問を徹底解説していきます!  <目次> ・吸水速乾(吸汗速乾) ・撥水(はっ水) ・防水・透湿防水 ・花粉対策 ・UVカット・遮熱・遮光 ・抗菌防臭・制菌 ・帯電防止(静電・導電) ・保温性 ・高視認    機能性に優れた上質な生地・アパレル製品を豊富にラインナップ。 ・「生地定番」一覧 ・「アパレル製品定番」一覧   お探しの生地・素材もきっと見つかります。 ・おしえて!マスダさん! ~こんな生地ないの? ▼吸水速乾とは? 「吸水速乾」は、生地についた汗などの水分を素早く吸収し乾燥させる性能のことを指します。水分が汗を想定するケースが多いので「吸汗速乾」とも呼ばれます。 吸水速乾性のある生地で作った服は、衣服内気候(皮膚と衣服の間の温度・湿度・気流)を快適に保ち、蒸れ等の不快感を抑えることができます。かいた汗もすぐ乾くので、汗濡れで体が冷えてしまうことを防ぐ他、洗濯した後も乾きやすくなるというメリットもあります。 ⇒「吸水速乾」をもっと詳しく知りたい方はこちら! ▼撥水・はっ水とは? 「撥水(はっ水)」とは水をはじく加工です。水が生地の裏側へ浸み出すのを防ぐ「防水」加工と混同しがちですが、異なります。 撥水性があることで、生地自体が濡れてビショビショになることを防ぎ、付着した水を拭き取りやすい状態にします。この性能を長持ちさせたものが「耐久撥水」と呼ばれます。 家庭用品品質表示法において、コート等に使う生地は、撥水試験によって5級(良)~1級(悪)のランクに分けられ、2級以上の結果が出たもののみ「はっ水」機能の表示をすることができます。 ⇒「撥水」をもっと詳しく知りたい方はこちら! ▼防水・透湿防水とは? 「防水」とは生地面に被膜を作り、水の浸み出しを防ぐ加工です。水をはじき、生地表面に付着することを緩和する加工の「撥水」と混同しがちですが、異なります。「撥水」加工だと雨など継続的に水が当たった時に防ぎきれず、生地の隙間から水が浸み込んでしまいます。それを防ぐ加工が「防水」加工です。生地表面についた水が弾かれた方が、水の浸み出しが起きにくくなる為、防水素材には通常、撥水加工も施されています。 傘のような用途は「防水」機能だけでも良いのですが、レインウェアの場合は「防水」機能が水分の浸入を防ぐ一方で空気の通りを悪くするため、衣服内がサウナスーツのように蒸れてしまい、不快感の原因となります。そこで、多くのレインウェアには「透湿」という機能も兼ね備えています。「透湿」とは、水の浸入を防ぎながら衣服内部の水蒸気や湿気といった気体になった水分を外に出して蒸れを防ぐ機能です。  ⇒「透湿防水」をもっと詳しく知りたい方はこちら! ▼花粉対策とは? 花粉症の原因となる花粉を付きにくくしたり、付着しても落ちやすくしたりする加工のことを言います。凹凸のある素材よりも、平滑な素材に加工した方がより効果が発揮されます。 静電気が生地表面に花粉を付着しやすくする為、下に解説している「帯電防止」効果とも関係してきます。   ⇒「花粉対策」についてもっと詳しく知りたい方はこちら!(8月更新予定) ▼UVカット・遮熱・遮光とは? UVとは、ultra-violet(ウルトラバイオレット)の略で紫外線のことを指します。皮膚に悪影響を及ぼす紫外線をなるべくカットしようとするには、紫外線を吸収しやすい黒や濃色かつ厚手の衣服を着る必要があります。しかし、紫外線が強くなる夏場にそのような衣服を着ていると、見た目にも暑く快適性が損なわれてしまいます。淡色で薄い生地にUVカットの機能をもたせることで、はじめて紫外線対策と快適性の両立ができるようになります。その他にも遮熱や遮光という機能もありますが、それらはUVカットと何が異なるのでしょうか?   ⇒UVカット」「遮熱」「遮光」についてもっと詳しく知りたい方はこちら! ▼抗菌防臭・制菌とは? 生地や製品に対する加工である「抗菌防臭」と「制菌」は、一見両方とも似ている用語に見えますが、実はしっかり区別されるべき用語なのです。 「抗菌防臭」は、臭いの原因となる黄色ブドウ球菌の増殖を抑えることで防臭する加工です。 「制菌」は、黄色ブドウ球菌に加えて、肺炎かん菌、緑膿菌、大腸菌、モラクセラ菌などの増殖を抑える加工です。 対応している菌種は「制菌」>「抗菌防臭」となっています。また「抗菌防臭」は、生地上の菌の増殖を抑制しつつも少しずつ増えていくのに対し、「制菌」は菌の活動を低下させるため、菌は減っていきます。よって「制菌」は「抗菌防臭」と比べると上位に位置する機能と言えます。  ⇒「抗菌防臭・制菌」についてもっと詳しく知りたい方はこちら! ▼帯電防止(制電・導電)とは? 冬場にコートやセーターを脱ぐ時にパチパチと音が鳴ったり、ドアノブを触る時に「痛っ」と嫌な思いをすることがあります。これは静電気によるもので、静電気はこうした不快感だけでなく、衣服に埃が付いたり、衣服が身体にまとわりついたりする原因となります。 こうした現象を抑えるのが「帯電防止」機能です。コートの裏地などに、静電気を抑える素材が使われていることがあります。 静電気は、日常生活においては不快な存在程度に過ぎませんが、例えば、石油化学工場では、静電気が火災の原因になります。精密電子工場では、衣服についた埃や塵が製品にも付着し、不具合を招くケースもあります。こうしたところでは、「帯電防止」機能を備えた作業着が非常に重要となってきます。 ⇒「帯電防止」についてもっと詳しく知りたい方はこちら!(準備中) ▼保温性とは? 熱は、温度の高いところから低いところへと移動します。体から発せられる熱を含め、衣服内の熱量が外に奪われるのをいかに抑えるかというのが「保温」機能の役割です。 着用者を暖かくするアプローチは大きく分けて「断熱」「蓄熱」「吸湿発熱」の3つです。 「断熱」は、空気の層を作り、放熱をなるべく抑えます。ダウン(羽毛)や中綿を利用して衣服内に空気層を作ったり、糸の中心を空洞化させて空気層を作ることで熱の放出を防いだりします。 「吸湿発熱」は、体から出た汗や不感蒸散(自覚なく皮膚から蒸散する水分)といった水蒸気が、繊維に付着して液体になる時に生まれる熱エネルギー(吸着熱)を利用して発熱する機能を言います。 「蓄熱」は、セラミックスの微粒子を繊維の芯部分に練り込むことで、太陽光を吸収し、吸光熱変換機能により熱を発生させるというものです。 ⇒「保温性」をもっと詳しく知りたい方はこちら!(準備中) ▼高視認とは? 高視認性とは、着用者の存在を早期に認識してもらい、路上での車両事故などを抑止させる機能です。蛍光色と再帰性反射により、昼夜問わず、高い視認性を得られます。再帰性反射とは、通常の反射(正反射)と異なり、受けた光を同じ方向に返す反射のことで、ライトをつけた車両の運転者に対して優れた視認性を発揮します。 性能測定にあたっては、蛍光色の色度・輝度や、反射材が反射する照度を判定しますが、その他に各素材の必要面積もクラス別で規定されています。(ISO20471/JIS T 8127他 高視認性安全服規格) ⇒「高視認」についてもっと詳しく知りたい方はこちら!(準備中)    機能性に優れた上質な生地・アパレル製品を豊富にラインナップ。 ・「生地定番」一覧 ・「アパレル製品定番」一覧   お探しの生地・素材もきっと見つかります。 ・おしえて!マスダさん! ~こんな生地ないの?

マスダのできること増刊号 ますだのかいご ~ 防水シーツ編 ~

[マスダのできること(増刊号)]

マスダのできること増刊号 ますだのかいご ~ 防水シーツ編 ~

“製造機能を持った生地屋”マスダとして、 病院や介護施設でよく使用される各種繊維製品を製造し、販売を行っています。   扱い商品 ※クリックするとそのカテゴリーのページに移動します。  ■防水シーツ  ■オムツカバー(子供用・大人用) (準備中)  ■食事用エプロン (準備中)  ■介護ウェア (準備中)  ■ランドリー関係 (準備中)   防水シーツ <MK-110R>インターロックシーツ 2層タイプ 表:ポリエステル100%(インターロック) 裏:ポリウレタン100%(耐熱ウレタンフィルム) サイズ:タテ90cm×ヨコ145cm コストを重視するならシンプルな定番型。シンプルなつくりでありながら、特殊耐熱フィルムが十分な防水性と繰り返しの洗濯にも耐久性を発揮します。 ◎縁取りは、オーバーロック仕様 <MK-111B>インターロックシーツ 3層タイプ 表・裏:ポリエステル100%(インターロック) 中:ポリウレタン100%(ウレタンフィルム) サイズ:タテ90cm×ヨコ145cm  ソフトでしなやかなインターロック生地で、特殊耐熱フィルムを表裏から挟み込むことで、フィルムの傷を防止します。 ◎縁取りは、縁部分からのフィルム剥離を予防するバイアス巻仕様 <MK-210R>4段スムースシーツ 2層タイプ 表:ポリエステル100%(4段スムース) 裏:ポリウレタン100%(耐熱ウレタンフィルム) サイズ:タテ90cm×ヨコ145cm 展開色:1色展開(オフホワイト) 膨らみがあり、柔らかで肉厚な生地を使用している為、インターロックシーツ<MK-110R>や<MK-111B>に比べて、特殊耐熱フィルムの硬さを感じにくい上質な快適シーツ。 ◎縁取りは、オーバーロック仕様 <MK-310R>トリコットサテンシーツ 2層タイプ 表:ポリエステル100%(制菌トリコットサテン) 裏:ポリウレタン100%(耐熱ウレタンフィルム) サイズ:タテ90cm×ヨコ145cm 展開色:1色展開(オフホワイト) 制菌加工を施した薄手で軽さがありながらふくらみのある生地(トリコットサテン)を使用しており、在宅介護用ベッドで多く使われています。 ◎縁取りは、オーバーロック仕様 <MK-410M>デニムシーツ 耐熱フィルムタイプ 表:ポリエステル65% 綿35%(T/Cツイル) 裏:ポリウレタン100%(耐熱ウレタンフィルム) サイズ:タテ90cm×ヨコ182cm 取り付け・取り換えのしやすい巻布付き仕様。肌触りのサラッとしたT/Cデニム素材に特殊耐熱フィルムを貼り合わせたタイプ。 ◎縁取りは、オーバーロック仕様 <MK-420M>デニムシーツ 塩ビタイプ 表:ポリエステル65% 綿35%(T/Cツイル) 裏:特殊配合ポリ塩化ビニール100% サイズ:タテ90cm×ヨコ154cm 展開色:1色展開(サックス) 取り付け・取り替えのしやすい巻布付き仕様。肌触りのサラッとしたT/Cデニム素材に耐薬品性に優れた塩化ビニールを貼り合わせたタイプ。 ◎縁取りは、オーバーロック仕様 <MK-510B>シンカーパイルシーツ 表:綿80% ポリエステル20%(シンカーパイル) 裏:ポリウレタン100%(耐熱ウレタンフィルム) サイズ:タテ100cm×ヨコ150cm タオルのように思わず触りたくなるソフトなシンカーパイル素材に、特殊耐熱フィルムを貼り合わせした、使う人にやさしい上質シーツ。 ◎縁取りは、バイアス仕様 <MK-519R>パイルブロードシーツ 表:綿80% ポリエステル20%(シンカーパイル) 中:ポリウレタン100%(ウレタンフィルム) 裏:ポリエステル65% 綿35%(T/Cブロード) サイズ:タテ90cm×ヨコ150cm   タオルのように思わず触りたくなるソフトなシンカーパイル素材に、防水フィルムを保護するT/Cブロードを貼り合わせした、使う人にやさしい上質シーツ。 ◎縁取りは、オーバーロック仕様 <MK-620R>ミニパイルシーツ 塩ビタイプ 表:ナイロン100%(ミニパイル) サイズ:タテ100cm×ヨコ220cm/180m/150cm  ※3種類のサイズから選べます。 展開色:1色展開(オフホワイト)   コストを重視するならシンプルな定番型。シンプルなつくりでありながら、特殊配合ポリ塩化ビニールが滑りにくく、シーツが安定します。 ◎縁取りは、オーバーロック仕様 <MK-700B>撥水ニットシーツ 表:ポリエステル100% (撥水/透湿コーティング加工) サイズ:タテ100cm×ヨコ150cm 展開色:1色展開(アイボリー) ソフトでしなやかな3段スムース生地で、撥水機能と透湿機能を兼ね備えています。水をはじき、蒸れにくい高機能シーツです。 ◎縁取りは、縁部分からのフィルムの剥離を予防するバイアス巻き仕様 <MK-810B>吸水拡散 鹿の子シーツ 表:ポリエステル100%(吸水速乾鹿の子) 裏:ポリウレタン100%(耐熱ウレタンフィルム) サイズ:タテ90cm×ヨコ150cm 展開色:1色展開(アイボリー) スポーツウェアにも使われる鹿の子生地。吸水拡散性があり表面もすぐにさらっとします。特殊耐熱フィルムが十分な防水性と繰り返しの洗濯にも耐久性を発揮します。 ◎縁取りは、縁部分からのフィルムの剥離を予防するバイアス巻き仕様 <MK-910R>フレンチパイルシーツ 表:ポリエステル100%(フレンチパイル) 裏:ポリウレタン100%(耐熱ウレタンフィルム) サイズ:タテ90cm×ヨコ150cm ソフトで心地良い起毛素材です。吸水性もあり、さらっとします。使い勝手も良く、色々な場面で活躍します。 ◎縁取りは、縁部分からのフィルムの剥離を予防するバイアス巻き仕様 上記の商品は全て小ロット生産も可能です。 単価や納期などの詳細は、当社営業までお問い合わせ下さい。 お問い合わせは、下記ボタンよりお願いいたします。  

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“生地屋”の機能性解説 ~抗菌防臭素材・制菌素材とは?~

[”生地屋”の機能性解説]

“生地屋”の機能性解説 ~抗菌防臭素材・制菌素材とは?~

<目次> ■抗菌防臭加工・制菌加工とは? ■抗菌防臭生地・制菌生地の用途 ■抗菌防臭加工・制菌加工の原理 ■抗菌防臭加工・制菌加工の基準値 ■テキスタイル&アパレル マスダの抗菌防臭・制菌ラインナップ   機能性に優れた上質な生地・アパレル製品を豊富にラインナップ。 ・「生地定番」一覧 ・「アパレル製品定番」一覧   お探しの生地・素材もきっと見つかります。 ・おしえて!マスダさん! ~こんな生地ないの? ■抗菌防臭加工・制菌加工とは? 生地や製品に対する加工である「抗菌防臭」と「制菌」は、一見両方とも似ている用語に見えますが、実はしっかり区別されるべき用語なのです。 「抗菌防臭」は、臭いの原因となる黄色ブドウ球菌の増殖を抑えることで防臭する加工です。 「制菌」は、黄色ブドウ球菌に加えて、肺炎かん菌、緑膿菌、大腸菌、モラクセラ菌などの増殖を抑える加工です。 対応している菌種は「制菌」>「抗菌防臭」となっています。また「抗菌防臭」は、生地上の菌の増殖を抑制しつつも少しずつ増えていくのに対し、「制菌」は菌の活動を低下させるため、菌は減っていきます。よって「制菌」は「抗菌防臭」と比べると上位に位置する機能と言えます。なお、積極的に菌そのもの取り除く「除菌」「殺菌」「滅菌」などとは意味が異なります。 さらに「制菌」加工には、一般用途と特定用途があります。医療機関やそれに準ずる施設(病院・老人福祉施設・児童福祉施設・助産婦施設)で使用されるものは、特定用途でなければなりません。これは一般用途の菌種に加えて、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対しても効果を発揮します。 繊維評価技術協議会(繊技協)では、制菌加工と抗菌防臭加工について、マーク認証制度を行なっています。適合品には「SEKマーク」の使用を許諾しています。SEKとは「清潔(S)・衛生(E)・快適(K)」からきています。加工によってマークの色が下の図のように変わります。 ~実は全く別物!「細菌」と「ウィルス」の違いとは?~ 大きな違いとしては、細菌は「生物」で、ウィルスは「非生物」です。 ■細菌(Bacteria) ・肉眼では見えない、小さな単細胞生物です。バクテリアとも言います。私達の身の回りだけでなく、体の中でもたくさん活動しています。 細菌の中には、人に有害な影響を与えるもの(悪玉菌)だけでなく、人に良い影響を与えるもの(善玉菌)もあります。栄養を摂取して、自分の体が大きくなったら分裂して増殖します。 細菌(悪玉菌)の一例:黄色ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、ボツリヌス菌 細菌(善玉菌)の一例:乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌、酵母菌、麹菌 ■ウィルス(Virus) ・細菌よりもさらに小さい存在で、細菌の約1/50ほどの大きさです。遺伝子を持っていながら、細胞を持っていないので自力での活動や増殖ができません。人間などの生物に入り込み、細胞に寄生して自分のコピーを作らせます。細胞内のウィルスの数が増えていくと、寄生した細胞を破裂させ、他の細胞にも侵入していきます。風邪やインフルエンザはウィルスによって引き起こされます。 ウィルスの一例:インフルエンザウィルス、ノロウィルス、コロナウィルス、HIV このように、「細菌」と「ウィルス」は大きさや仕組みが全く異なります。 「抗菌」=「抗ウィルス」ではないので、混同しないように注意し、用途・目的に適した素材を使用して下さい。 ■抗菌防臭生地・制菌生地の用途 ・医療従事者の衣服(白衣、スクラブ、サージカルガウン、マスク等) ・介護従事者の衣服(エプロン、シャツ、ジャージ等) 医療や介護の現場では、他の用途よりも清潔性の重要度が高く、院内感染も防がなければなりません。これらは制菌加工の特定用途(SEKマークの赤ラベル)のレベルを求められます。 ・スポーツウェア、タオル、肌着、靴下、インソールなど これらは汗を吸いやすい性質があるので、雑菌が繁殖しやすくなり臭いの原因となります。「制菌」加工の素材を使うことで、生乾きの臭いの原因とされる「モラクセラ菌」の増殖を防止することができます。 ・布団、シーツ、枕カバーなど 寝具類は寝汗によって蒸れやすくなっており、雑菌が繁殖しやすい製品です。「制菌」加工の素材を使うことで床ずれに伴う化膿の原因となっている「緑膿菌」の増殖を防止することができます。 ■抗菌防臭加工・制菌加工の原理 どちらの加工も、SEK認証基準の安全性基準に適合する抗菌剤を、あらかじめ繊維内部に練り込む、もしくは後加工で繊維表面に付与する等により効果を発揮します。 抗菌剤としては色々な種類がありますが、当社のSEKマークのあるものは有機系抗菌剤のピリジンを使用しています。 ■抗菌防臭加工・制菌加工の基準値 JIS L 1902に、繊維製品の抗菌性試験として規定されている試験方法です。4種類ありますが、ここでは代表的な「菌液吸収法」を紹介します。 ・JIS L 1902定量試験(菌液吸収法) 最も多く利用される試験方法です。試験対象となる生地片と菌の液を瓶に入れ、37±2℃で2日ほど培養します。その後、試料から菌を洗い出し、洗い出した液中の菌数を測定し、計算により抗菌活性値を求めます。抗菌活性値が2.2以上(一定以上の死滅率)の場合、効果が認められます。 SEKマークの認証を受けるには、耐洗濯持続回数も重要です。どういった製品に使われるかで異なってきますが、衣料品の場合は、抗菌防臭加工および制菌加工の一般用途は最低10回、制菌加工の特定用途は最低50回の洗濯後にも効果が持続する必要があります。 ■テキスタイル&アパレル マスダの抗菌防臭・制菌ラインナップの紹介 ~「抗菌防臭」定番商品~ 【生地定番】 トリコット鹿の子<TC-7540> ※SEKマーク青ラベル有     【生地定番】 ダブルラッセル<W-6006>     【生地定番】 クール・デ・ホットエクス<EKS-052>     【製品定番】 エクスライブTシャツ<EKS-110> ※生地定番<EKS-052>使用     ~ 「制菌」定番商品 ~ 【生地定番】 グレースツイルストレッチ<GR-3150> ※SEKマークオレンジラベル有     【生地定番】 しん かがやきストレッチ<KS-2288> ※SEKマークオレンジラベル有     【製品定番】 制菌ストレッチ長袖インナー<TF-033> ※生地定番<KS-2288>使用 他にも半袖タイプの<TF-011>、ノースリーブの<TF-022>、スパッツタイプ<TF-088><TF-099>も展開しています。   【生地定番】 新ミスター介護士<MR-844> ※SEKマークオレンジラベル有     【製品定番】 コンフォートジャケット<CF-111> ※生地定番<MR-844>使用 ピンク・サックス・ミントのみ。同素材使用品番コンフォートパンツ<CF-999>とセットアップ可能です。     機能性に優れた上質な生地・アパレル製品を豊富にラインナップ。 ・「生地定番」一覧 ・「アパレル製品定番」一覧   お探しの生地・素材もきっと見つかります。 ・おしえて!マスダさん! ~こんな生地ないの?

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日本の「繊維産地」2 ~ 西日本編 ~

[知識]

日本の「繊維産地」2 ~ 西日本編 ~

繊維は、人間の生活に欠かすことの出来ない三要素「衣・食・住」の一つとして、古くから日本国内で生産され、日本人の生活文化を支えてきました。そして、繊維製品の輸入比率が異常な高まりを見せる中にあっても、いまだ日本国内には高度な技術の蓄積があります。 当社は、この点に着目し、日本の産地が将来に亘って残っていく事が大切だと考えています。 日本の「繊維産地」1 ~東日本編~  に続いて 西日本に点在する繊維産地の歴史と特徴をご紹介していきます。 日本産地マップ↓クリックで拡大します。【東日本】①米沢 ②栃尾・見附 ③桐生 ④富士吉田 ⑤天龍社 ⑥遠州 ⑦三河 ⑧尾州【西日本】⑨北陸 ⑩湖東 ⑪泉州 ⑫丹後⑬西脇 ⑭三備 ⑮今治 ⑯博多 ⑨ 北陸 ~福井県・石川県・富山県~当社の主力取扱商材である合成繊維(ポリエステル・ナイロン)の一大生産地として有名なのが、この北陸産地です。長繊維(フィラメント)の合繊織物・編物(ニット)においては、全国の90%が北陸産地で生産されています。北陸地方で繊維業が盛んになった理由としては、降水量が多く湿潤なため静電気が起きにくく、織物を作るのに適していたこと、厳しい寒さが長引く冬期に、農家の副業として営まれていたことなどが挙げられます。福井県では、西暦2~3世紀ごろ、大陸から集団移民してきた人々から養蚕と製織の技術の伝来があり、絹織物業が発展してきたとされています。奈良時代の元明天皇から絹織物の生産が命じられていたことが史実として残っています。福井県が絹織物産地としての名声を上げたのは、1600年ごろの安土・桃山時代~江戸時代にかけてのことです。徳川家康の次男であり、初代福井藩主の松平秀康が、当時、苦戦していた絹織物の品質改良を奨励し、「北荘紬(つむぎ)」と改称させ、公儀献上品にするべく品質の底上げを行いました。やがて全国各地に知れ渡り、藩の財政基盤として重宝されてきました。石川県においては、「加賀絹」の発祥地とされる小松で、大和時代に養蚕と製織の技術を既に会得しており、雄略天皇へ奉献していたとされています。室町時代には、将軍足利氏へ献上したことをきっかけに、加賀絹の名声が高まり、戦の幟旗などに使われるようになりました。江戸時代では、加賀藩の藩祖、前田利家の四男にして第2代藩主の前田利常が、美術工芸に造詣が深く、これらの産業や文化を積極的に保護・奨励しました。この影響で、加賀における機業地としての基盤はより強固なものとなりました。富山県についても、明治以前から、麻・綿・絹などの生産が行われてきました。近代における北陸産地は、最新鋭の技術を惜しみなく吸収していき、他の日本産地をリードする存在となっていきます。1900年:当時では最新鋭のバッタン機を導入、桐生より羽二重が伝来し全国的産地へ。 1915年:力織機への完全転換を図り、工場制手工業から機械制工業へ。 1920年:レーヨンの登場に伴い、人絹織物の輸出に注力。 戦 後:設備の近代化を進める。人絹織物から、合繊長繊維織物への転換。 1973年:北陸産地は米国の合繊長繊維織物生産量を上回り、世界最大の産地へ躍進。現在では、全世界の合繊長繊維織物は8割が東アジア地域内で生産されています。しかし、1985年頃より頭角を表してきた中国は、その内の5割の生産量を占めています。これに韓国・台湾も巻き込んで、激しい国際競争が加速しています。北陸産地が生き残るためにとった対策は、国際間競争の激しい衣料用分野においては、コスト競争に張り合わずに高機能加工の技術開発で差別化をはかること、非衣料分野の産業資材向け(自動車資材・土木関係資材など)においては率先して技術開発・用途開拓を積極化させることです。この結果、唯一性を得た北陸産地の技術力は、世界から高い支持を受けています。当社の扱う定番生地は、北陸産地の持つ合繊織物・編物生産における世界トップクラスの技術と品質がベースとなっています。定番生地の多くは、東レを始めとした一流の合繊メーカーの技術に基づく最先端の商品を扱っています。その一方で、福井県に営業所を構え、永い歴史に裏打ちされた産地に根付く技術の奥深さを理解した上で、地元企業と密に連携を取り、多種多彩な素材・加工にスポットライトをあてていく事を重要視しています。北陸産地で生産されたものも含め、日本製の生地を多数取り扱っております。当社の在庫ストックラインナップをご覧ください!⑩ 湖東(ことう) ~滋賀県~滋賀県の湖東地域は、日本最古の麻織物の産地として知られています。「近江上布(おうみじょうふ)」などの高級麻織物が有名です。麻は強靭かつ耐水性にも優れますが、逆に乾燥は天敵です。麻を生産するには湿潤な気候が必要で、琵琶湖に面する湖東産地は最適な環境といえます。麻の生産は、武家社会となった鎌倉時代~室町時代にかけて増加しました。武士や庶民の衣服だけでなく、陣幕や兜や鎧の裏地などに使われ、軍事的側面での需要が高かったと言われています。通気性があり、汗に強く、かつ丈夫(矢を通さない)だったからです。湖東産地は、その後の江戸時代で良質な麻織物「高宮布」の産地としてその地位を確立しました。高宮布は、経・緯糸ともに大麻(たいま・ヘンプ)が利用されています。一般的に大麻は、苧麻(ちょま・ラミー)に比べ、野良着などに使われる低品質のものとされています。しかし、細い麻糸と高い技術力を駆使することによって、張りと光沢がある上物に仕上げたものが「高宮布」です。江戸時代、彦根藩は、産地品の振興と武家用の袴地を確保すべく、これを保護・奨励し、将軍家への献上品にもしていました。この高宮布が後に「近江上布」と呼ばれることになります。現代では「近江上布」はシャツやハンカチ、ストールなどに使われ、根強い人気を誇っています。後継者不足による工場の廃業で、産地の衰退は避けられない状況ではありますが、復興を目指すべく、地元のメーカーが新技術の開発とブランド戦略を進めています。⑪ 泉州(せんしゅう) ~大阪府南部~白生地綿織物をメインに取り扱っており、衣服だけでなく、寝装、シーツ、産業資材、浴衣、衛生材料ガーゼ等、多品種の製織を行っています。泉州産地は「和泉木綿(いずみもめん)」をきっかけに綿織物の産地として有名となりました。1500年初頭、三河発祥の綿織と技術は和泉国(いずみのくに)に普及されました。元々、泉州産地の気候・土壌は、稲作よりも綿の栽培に適していました。絹織職人も木綿織りに転業し始め、泉州産地の綿の生産・研究開発は急成長します。毛足が長く良質な泉州産地の木綿は、細い糸を紡ぐことができたため、その糸で織り上げた生地は「和泉木綿」として評価されるようになりました。染色用の薄手の晒木綿(さらしもめん)として、浴衣や手拭、裏地などに用いられました。近代に入ると、海外の安価な輸入が市場を席巻し、泉州産地も生産性を高めるべく、織機の開発や工場の設立で、効率重視の生産体制に乗り出すようになり、人の手で紡がれていた「和泉木綿」の生産は無くなってしまったといいます。泉州では、綿の製織技術をベースに、多様な繊維商品が開発されてきました。1885年、佐野村で白木綿業を営んでいた里井圓治郎(さとい えんじろう)は、舶来雑貨商の友人から、ドイツ製タオルの研究を依頼されました。約2年開発に取り組み、パイルを生成する打出機を発明、日本で初めてタオルの製織を確立しました。また、日本で初めての毛布が誕生したのも、この頃の泉州産地です。当初は、輸入品の牛毛布に倣って、牛毛で作られましたが、品質が低く失敗に終わりました。日清戦争以降は、素材を綿に変えることで、中国向けの輸出で成功を収め、大正時代には、現代の毛布と同様に羊毛を使う形に変わっていきました。今では生産が止まってしまっている「和泉木綿」も産地の綿業者の手により、地場ブランドとして現代に復活させようとする取り組みが行われています。⑫ 丹後(たんご) ~京都府~日本最大の和装絹織物の産地です。国内の和装(着物等)白生地の約60%を生産しています。独特の凹凸感(シボ)をもつ「丹後ちりめん」が有名です。経糸に撚りのない生糸(きいと)、緯糸に強い撚りをかけて糊で固めた生糸を交互に使い平織にし、その後、精練することで緯糸の撚りを戻すと、生地全体に細かい凹凸感が出るという仕組みです。風合いがしなやかで発色性もよく、美しい彩りに仕上げる和装文化とマッチしており、着物の生地としては最適な素材でした。丹後地方に伝わる織物の歴史は古く、奈良時代には聖武天皇に「あしぎぬ」と呼ばれた絹織物を献上していた記録が確認できます。江戸時代に、西陣で絹織物「お召ちりめん」が開発されると、丹後地方の特産品は苦戦を強いられていました。その解決策として、峰山の絹屋佐平治(きぬや さへいじ)、後野村(うしろのむら)の木綿屋六右衛門(もめんや ろくえもん)らが京都の西陣から技術を持ち帰り、それを元に作られたのが「丹後ちりめん」の始まりです。当時、西陣の技術は一子相伝で門外不出のものだったので、丹後地方に活気をもたらしたといいます。そして峰山藩、宮津藩に手厚く保護を受け、丹後の地場産業として根づきました。「丹後ちりめん」で培われた技術力は現代にも受け継がれ、ポリエステルやレーヨンのような合成繊維でも作られています。2020年には生誕300年を迎える「丹後ちりめん」ですが、丹後産地を世界規模でさらにアピールすべく、新しいブランド戦略が始動しています。⑬ 三備(さんび) ~岡山県・広島県~三備産地は、岡山県倉敷市児島を中心とする「備前(びぜん)地区」、岡山県井原市を中心とする「備中(びっちゅう)地区」、広島県福山市を中心とする「備後(びんご)地区」の三大産地によって形成されています。それぞれ、学生服・デニム素材・ワーキングユニフォームの産地として有名です。備前地区には干拓地(浅い海に囲いをして陸地にした地)が広がっており、綿花の栽培が盛んにおこなわれていました。干拓地には海水の塩分が残留していたのですが、綿花は、米などの農作物よりも、比較的塩分に強いという特性があったため、綿花の備前地区は綿織物の産地として発展、農家の副業として、織物の生産も進められました。 江戸時代には帯地・袴地が、明治時代には足袋が生産され、昭和初期は、第一次世界大戦後の戦後恐慌を機に、学生服の製造が中心になりました。時代背景によって特産品の変遷が見られますが、いずれも厚地の綿織物であり、縫製のノウハウが活かされていることが分かります。備中地区は、江戸時代に藍の栽培が伝来し、藍染綿織物の生産地として名が知られるようになりました。戦後に米国製品のジーパンが爆発的ヒットしたのを受けて、藍染綿織物の技術を応用してデニム生地が作られるようになりました。産地内にはジーンズメーカーのほか洗い加工、ダメージ加工などの関連事業者が集積しています。備後地区においても江戸時代初めに、福山藩の初代藩主である水野勝成(みずの かつなり)が綿花の栽培を推し進め、綿織物の製織が盛んになりました。1700年代後半、幕府よって倹約政策が実施され、絹織物の着用が禁止になったことも綿織物の発展のきっかけでした。その製織技術のレベルアップにより、富田久三郎(とみた ひさざぶろう)によって、日本三大絣(※1)の1つに含まれる「備後絣(びんごかすり)」といったの名産品を生み出します。※1【日本三大絣】広島県福山市の「備後絣」のほか、愛媛県松山市の「伊予絣(いよかすり)」、福岡県久留米市の「久留米絣(くるめかすり)」がある。 明治・大正時代にかけては、機械化により備後地区の主要産業として発達し、日本人の洋装化に伴い、ズボンなどの縫製業も行われるようになりました。昭和になり、第二次世界大戦が始まると、産業統制によって縫製工場では軍服の生産を余儀なくされていました。軍服の規格は非常に厳格だったため、それが産地の縫製技術の底上げに繋がりました。戦後復興以降は、東京五輪やホテルの開業ラッシュでユニフォームの需要が高まることとなり、備後産地はワーキングユニフォーム産地としてのさらなる発展を遂げました。当社の主力素材は合成繊維ですが、ユニフォーム分野にも力を入れており、三備地区が当業界において多様性ある役割を担っていることを鑑み、児島地区にも営業所を構えております。産地からの情報収集を密に行い、帆布やデニムのような合繊以外の素材も広範囲にご提案させて頂きます。⑭ 西脇(にしわき) ~兵庫県~先染めした糸で柄を織る「播州織」が有名です。糸を先に染めてから織物にしているため、ナチュラルな風合いと素晴らしい肌触りをもつ生地に仕上がります。その品質の高さは有名で、海外のトップブランドにも使用された実績があります。用途としてはシャツ地がメインで、ハンカチ、テーブルクロスなど様々な製品に加工されています。西脇産地で作られる先染め織物は、70パーセント以上の国内シェアを占めています。「播州織」は1792年(江戸時代中期)に比延(現 西脇市比延町)の大工だった、飛田安兵衛(ひだ やすべえ)が、京都西陣より織物の技術を会得し、織機を作ったのが起源と言われています。西脇市を中心とする北播磨(はりま)地域では、温暖な気候を生かした綿花栽培が行われており、染色に必要不可欠な水を調達できる河川も多かったため、織物業が発展する要素は十分に揃っており、綿花農家の副業として営まれてきました。「播州織」の名前は、この「播磨」の地名からきています。現在、全国の繊維産地が抱える問題として、若手の人材不足が取り沙汰されています。そうした中、西脇産地では、2016年に繊維機械商社出身の片山象三(しょうぞう)市長を中心として「西脇ファッション都市構想」が策定されました。 ・ファッションを志す若者を全国から呼び込み、魅力を伝え定住を促進させる ・西脇というまちのブランド化を図り「播州織」の最終製品を創出していく上記のような目的のもと、西脇市と繊維に携わる企業が協力して「播州織」を盛り上げていこうとしています。これはまさに、地方都市の抱える人口減という課題と、その対策として地場産業の維持・存続が、地域活性化の両輪であることを表しており、私達マスダが日本国内の繊維産地の維持に重きを置いていることと合致しています。⑮ 今治(いまばり) ~愛媛県~「今治タオル」で有名な日本最大のタオルの産地です。国産タオルの60%弱の全国シェアを有しています。普遍的なタオルは、織→晒→染の順番の製法で作られていますが、今治タオルは晒→染→織の「先晒し先染め」製法で作られているのが特徴です。先に水で「晒す」ことにより、やわらかい風合いのタオルに仕上げることができます。この製法には水がたくさん必要なのですが、今治産地には良質の地下水がふんだんにあり、それが可能となっています。また、今治産地で特筆すべきところは「ブランディング化の成功」を遂げたモデルケースになっている点です。今治は、日本国内においては泉州産地と肩を並べるタオルの産地でしたが、1990年代初頭のバブル経済の崩壊、中国含む海外からの安価な製品の大量輸入が要因で、生産量は2001年にピーク時の半分まで落ち込み、企業や従業員の数も激減していきました。転換点となる2006年、今治産地は経済産業省の「JAPANブランド育成支援事業」に選ばれました。さらにブランディング強化のため、アートディレクターの佐藤可士和(さとう かしわ)氏を抜擢しました。佐藤氏は以下の3点を軸に、ブランディングを進めました。1.「安心・安全・高品質」をブランドの核とする 2.従来のPRポイントだった「色・柄・デザイン」ではなく「白さ」をアピールする 3.厳格な基準を設け、試験の通った製品のみ、ブランドマークの使用を認めるこのようなコンセプトを一貫させていくことで、消費者への認知度を高めていきました。産地の地道な努力に加え、佐藤氏の方針転換により、減少の一途を辿っていた売上が2010年に回復し、その後も躍進を続け、今では世界に名立たる製品になりました。今治産地は、地方活性化を実現させた成功例として、全国の繊維産地から注目されています。⑯ 博多 ~福岡県~厚地の絹織物の「博多織」の産地です。模様が描かれていますが、これはたくさんの経糸を用い、細い糸を撚り合わせて作った太い緯糸を筬(おさ)で力強く打ち込むことにより、畝(うね)が表面に現れ経糸を浮かして模様を織り出すという仕組みです鎌倉時代、僧侶の聖一国師(しょういちこくし)と若い博多商人・満田弥三右衛門(みつだ やざえもん)が中国(宋)へ渡り、織物の技法を習得、帰国して独自の意匠を施した織物が「博多織」のはじまりといわれています。その250年後、さらに研究を重ねるべく、弥三右衛門の子孫・満田彦三郎(みつだ ひこざぶろう)が再び中国(明)へと渡りました。これにより浮線綾(ふせんりょう:織り糸を浮かせて作る文様)や柳条(りゅうじょう:柳の枝模様)などの意匠をあしらった厚地の織物を作り出すことに成功しました。江戸時代、筑前の藩主だった黒田長政が、「博多織」を筑前の特産品とし、江戸幕府への献上品に指定しました。織元を12戸に制限して、格式と品質を維持するように努め、ゆくゆくは『献上博多』として広く知られるようになりました。用途としては帯地に適しており、生地の畝によって、結んだ帯が緩まないという特性があります。現代では機械織になってはいますが、福岡の伝統的工芸品として愛され続けており、帯地だけではなく小物、ドレス、バッグなどに用いられています。いかがでしたでしょうか? ご覧頂き、日本の繊維業界に少しでも興味を持つきっかけとなれば幸いです。 今回ご紹介しきれなかった産地も含め、日本独自の繊維産業は、全国津々浦々に広がっています。マスダ株式会社は、日本全国の産地の近くに支店・営業所を構えネットワーク化し、各産地の新鮮な情報を取り入れつつ、営業活動を行っております。 マスダの「定番」素材に限らず、多くの合成繊維・天然繊維の販売実績があります。繊維のことならワンストップで対応可能です。お気軽に営業までお問い合わせ下さい。

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日本の「繊維産地」1 ~ 東日本編 ~

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日本の「繊維産地」1 ~ 東日本編 ~

日本製の高品質な生地・アパレル製品を在庫ストック販売を行う “生地屋”マスダが日本の誇るべき繊維産地をご紹介いたします! (当社生地・アパレル製品ラインナップはこちら⇒ 生地・アパレル製品)繊維は、人間の生活に欠かすことの出来ない三要素「衣・食・住」の一つとして、古くから日本国内で生産され、日本人の生活文化を支えてきました。そして、繊維製品の輸入比率が異常な高まりを見せる中にあっても、いまだ日本国内には高度な技術の蓄積があります。 当社は、この点に着目し、日本の産地が将来に亘って残っていく事が大切だと考えています。 以下、日本国内の繊維産地の歴史と特徴をご紹介していきます。日本産地マップ↓クリックで拡大します。【東日本】①米沢 ②栃尾・見附 ③桐生 ④富士吉田 ⑤天龍社 ⑥遠州 ⑦三河 ⑧尾州【西日本】⑨北陸 ⑩湖東 ⑪泉州 ⑫丹後  ⑬西脇 ⑭三備 ⑮今治 ⑯博多① 米沢(よねざわ) ~山形県~日本国内の繊維産地の中で、最北に位置しているのが米沢産地です。自然の草木で染めた糸で織り上げられる「米沢織」が有名です。米沢織の歴史は400年以上前に遡ります。関ヶ原の戦いをきっかけに、会津(現在の福島県)の120万石の大々名であった上杉景勝(うえすぎ かげかつ)が、米沢30万石へ大幅に減封されました。その為、多くの家臣を養う為には、領内の産業発展が最重要課題となり、上杉景勝の重臣であった直江兼続(なおえ かねつぐ)は、従来からの特産品であった青苧(あおそ・麻織物の原料となる)や桑(蚕の食餌)といった、繊維に関わる植物を藩が買い上げることで奨励し、これを製品化して全国へ販売するようになりました。そして江戸後期に、第9代米沢藩主上杉鷹山(ようざん)が、当時の先進地であった新潟の小千谷(おじや)から縮(ちぢみ)の技術を導入し、武士の女性たちに織物生産を習得させ、「米沢織」として強化することによって、困窮する藩の立て直しを目指しました。米沢織は、当初は麻織物でしたが、養蚕が盛んになるにつれ、より高級な絹織物の生産が中心となり、発展を遂げて現代に続いています。また、明治から昭和にかけ、米沢産地では化学繊維の開発にも取り組まれてきました。大正時代、米沢高等工業学校(現在の山形大学工学部の母体)の講師であった秦逸三(はた いつぞう)が、日本で初めて人工絹糸(レーヨン)を発明しました。同氏はこれをきっかけに帝国人絹株式会社(現在の帝人株式会社)を創設するなど、米沢は、天然繊維と化学繊維の総合産地としての名声を高めました。そうした背景には、絹が天然繊維唯一の長繊維であり、絹織物を模したレーヨン織物を生産するのに適していたことがあると思われます。その証拠に、米沢以外の北陸・富士吉田・桐生といった産地においても、絹織物の産地から化合繊織物の産地へと変遷を遂げていっています。現代でも「米沢織」は男物の袴用途として、90%以上の全国シェアを誇っており、婦人のスーツやワンピース、フォーマルドレスなどにも用いられ、和装・洋装問わず幅広く愛されています。② 栃尾(とちお)・見附(みつけ) ~新潟県~共にニット素材で有名で、特にセーターの生産量は男物・女物共に全国1位です。栃尾産地はニット生地の生産に力を入れており、見附産地はニット製品のOEM生産(※1) がメインです。ニットの産地ではありますが、織物の生産にも長けており、天然繊維から化学繊維、合成繊維までバラエティに富んだ素材を扱う複合型産地です。※1【OEM生産】 Original Equipment Manufacturing の略で、委託先企業のブランドをつけて販売される商品を、代わりに受注し、生産すること。実は、もともとの栃尾・見附産地は、江戸時代後期から明治時代初期にかけては、ニットではなく織物の産地で、「栃尾紬(とちおつむぎ)」や「見附結城(みつけゆうき)」といった名産品が有名だったと言われています。しかし、第二次世界大戦に入ると、軍事需要が最優先され、あらゆる物資が行き渡らなくなりました。これまで産地を支えてきた綿もその例外ではなく、製造・販売が禁止になりました。追い打ちをかけるように企業整備令 (※2) が発動され、転業・廃業が続出し、産地の規模は大幅に縮小されました。こうしたタイミングで織物業者が横編機を導入し創業したことが、ニット産地になった発祥と言われています。※2【企業整備令】 国家が諸企業を整理・統合し、再編成を指示する法令。1942年公布。終戦後、1950年代からニット製品ブームが起き、編立機の進化と共に生産量は年々増加していきました。その後も高度経済成長の波に乗り、ニット産地としてのスケールを増していきました。現在は、織物を生産するだけでなく、ニット生地に加えてそれらの製品化まで、関連分野を網羅するトータルファッション産地として存在感を放っています。③ 桐生(きりゅう) ~群馬県~桐生産地は、群馬県の東部に位置し、栃木県との県境にあります。絹を用いた「桐生織」で有名です。中でも強撚糸使いの先染めジャガード織物が高く評価されており、使用糸も天然繊維から化合繊まで幅広く対応しています。桐生で織物が始まった歴史はとても古く、西暦700年の段階で、朝廷に絹を献上した記録が残っています。桑の葉(蚕の餌)の生産に適した土壌だったため、大陸から養蚕の技術が伝来してからは、絹の産地となっていました。1600年の関ヶ原の戦いに際して、徳川家康より軍旗に使用する絹織物の発注があり、産地にある54ヵ所の村が協力して約2400枚を1日で織り上げたと言われています。徳川軍がこの合戦に勝利をしたことがきっかけで、桐生産地はさらに有名になりました。当時、絹織物の一大産地といえば京都の西陣でしたが、西陣に並ぶ産地となるべく、積極的に技術の導入を試み、大消費都市である江戸に近接している強みも追い風にして、やがては「西の西陣、東の桐生」と呼ばれるまでに成長しました。明治時代にかけては、力織機(りきしょっき)やジャガード機の導入、マニュファクチュア(工場制手工業制)の確立などにより、さらに発展しました。羽二重(はぶたえ)の創織もこの頃です。和服の裏地などに最適だった羽二重は、美しい風合いが人気で対欧米輸出の中心素材となり、日本の殖産興業を支えました。こうして帯地・着尺や服飾工芸品などの和装分野で培った桐生の伝統技術は、今では婦人服地・インテリア資材などの洋装分野にも応用されています。また、絹織物だけでなく、化合繊に関するニット・縫製・刺繍・染色整理業などの多様な生産場が点在しているのも桐生産地の特徴的な部分の一つです。④ 富士吉田(ふじよしだ) ~山梨県~山梨県の東部に位置するこの産地は、先染め・細番手・高密度を特徴とする絹織物が有名で、「郡内織物」と呼ばれています。富士吉田地方では、約1000年前から織物産地になっていたと言われています。平安時代に施行された法令集「延喜式(えんぎしき)」には、朝廷に生地を貢がせていたという記載がありました。その後、1500年代後半~1600年代、南蛮貿易で渡来した「海気(かいき)」と呼ばれる生地をルーツに絹織物の技術向上がなされ、甲州(甲斐の国)にちなんで「甲斐絹(かいき・かいきぬ)」と呼ばれるようになるほど、富士吉田産地における織物業はさらに発展していきました。江戸時代、1600年代~1700年代前半は、幕府から奢侈(しゃし)禁止令が発令され、士農工商問わず、着る服の素材や装飾が制限されていました。画一的なファッションを強要された当時の町民たちには不満が募っていました。そんな中で着目されたのが羽織の「裏地」です。表地は素材・色・柄などによる主張を抑え、地味なものにしていましたが、裏地で個性を出すようになりました。その際、先染め・細番手・高密度を特徴としていた「郡内織物」はまさに裏地としては最適な素材で、見事な発色性と繊細な柄を表現できたため、地理的に江戸から離れていたにも関わらず、人気を博していました。こうして富士吉田産地が長きにわたり発展してきた背景には、富士山の存在なくしては語ることはできません。富士山の麓より流れ出る湧水はきわめて水質が良く、細かな色合いの再現に適しており、織物業を営む上で重宝されてきました。「富士風穴」と呼ばれる、富士山の火山活動による溶岩が流れ込んでできた洞窟も重要です。この空間は、年間平均気温3度前後を維持できる環境になっており、ここで羽化する前の繭を冷凍貯蔵していたのです。このため1年通して養蚕を営むことができるようになりました。家電製品がなかった当時は、この富士山こそが大自然がもたらす冷蔵庫だったと言えます。大正~明治時代にかけて、日本の輸出産業を担う主力製品は絹織物だったため、当時皇太子だった昭和天皇が「富士風穴」を視察された記録も残っています。第二次世界大戦以降は、絹だけでなく合成繊維やキュプラでの製造も開始されました。現在では、「郡内織物」は洋装の一般化に伴い、ネクタイ、ストール、傘の裏地、インテリア等にも使用されています。今でも、国産ネクタイの4割に使われています。⑤ 天龍社(てんりゅうしゃ) ~静岡県~静岡県東部の天龍社産地は、日本で唯一の別珍(※3)・コーデュロイ(※4)の産地で、国内シェアの95%を占めています。※3【別珍(べっちん)】 ベルベッティーン、綿ビロードとも呼ばれる綿の緯パイル織物の一つ。 緯糸によってパイルを作り、そのパイルを切断して毛羽を作る。一面に均一な毛羽が出るため、ソフトな肌触りが特徴。※4【コーデュロイ】 コール天とも呼ばれる綿の緯パイル織物の一つ。 別珍とは異なり、毛羽が縦方向の畝状になっている。厚地で膨らみがあり、保温性が高い。産地として発達する背景には、1600年代、遠州国磐田郡(現在の磐田市)は、遠州灘に面しており多くの港があったことから、帆船のマスト(帆布)を製織する機屋が存在し、既に織物産業が根付いていたことがあります。その後、1831年に庄屋(しょうや:村役人)の寺田彦左衛門(てらだ ひこざえもん)が、大和地方(現在の奈良)を旅行した際に、目にした雲斎織(うんさいおり・足袋袋などに用いる丈夫な木綿の布)を気に入り、当時の農業・漁業の内職に適しているとしてその技術を取り入れました。このような帆布や雲斎織などの厚地の綿織物を取り扱うノウハウが蓄積されていったことが、天龍社産地でコーデュロイが製造される礎になったといえます。1890年代、当時の下駄の鼻緒には、輸入品のコーデュロイを使うのが人気でした。それをきっかけに国産化できないかという声が上がり、磐田市では研究を重ねられ、国産のコーデュロイの製織に成功しました。その技術は袋井市・掛川市にも広まり、天龍社産地でコーデュロイの産地が形成されました。その後、別珍製織の研究も進み、1910年頃に完成にこぎつけました。いずれの用途も、現在ではファッションのみならず資材やインテリアにまで多様化を見せています。生産品種も別珍・コーデュロイだけでなく、一般生地織物や特殊織物の比率も高まってきています。⑥ 遠州(えんしゅう) ~静岡県~静岡県西部の遠州産地は、綿織物の産地として有名です。ポプリン、金巾(かなきん)、朱子(しゅす)などの後染め綿織物をメインとしていますが、太番手織物から細番手まで幅広い素材が生産可能です。また、遠州産地は、三河(愛知)、泉州(大阪)と並ぶ、日本三大綿織物産地として知られています。2017年には「遠州織物」が特許庁の地域団体商標に登録され、地域ブランドとして全国にアピールしていくなど、更なる盛り上がりを見せています。遠州産地の歴史を紐解いていくと、江戸時代から綿花を栽培しており、綿花の農家は副業として綿織物の生産も併行していました。これが遠州木綿(もめん)と呼ばれていき、高い評価を得ることになりました。明治時代になると紡績工場がつくられたり、新しい織機を開発したりと、遠州地域の綿織物の生産量は飛躍的に増加し、産地としての地位を確立しました。新織機の開発には、静岡出身の技術者である豊田佐吉(とよだ さきち)や鈴木道雄(すずき みちお)らが携わり、技術革新が進んでいきました。両氏が創業した豊田自動織機製作所、鈴木式織機製作所は、それぞれトヨタ自動車(株)、スズキ(株)の前身となっています。今の日本の輸出産業を支える有名自動車メーカーの原点は、自動織機製造における鋳造・機械加工技術などを応用したことにより生まれたものだったのです。⑦ 三河(みかわ) ~愛知県 知多・蒲郡~「三河木綿(みかわもめん)」「知多晒(ちたさらし)」などの綿織物の白生地産地です。知多では甚平・手ぬぐい・ガーゼなどの用途で0.5mほどの小巾織物が生産され、蒲郡(がまごおり)では産業・寝装・インテリア用織物やファンシークロスなど柄物が生産されています。このように三河産地は、衣料用テキスタイルだけでなく、日用品・寝装・産業用資材のような、非衣料用繊維製品のウェイトが高いという特徴あります。三河産地は、日本の綿花栽培発祥の地とされており、799年(延暦18年)に、この地に漂着した崑崙人(こんろんじん:インド人とされる)により、綿の栽培方法が伝来しました。三河地方には、その人物を綿の神様として祭っている天竹神社(てんじくじんじゃ)があります。しかし、残念ながら、この綿花は三河地方の気候・土壌に適応せず、定着しなかったと言われています。三河地方が綿織物の一大産地として本格的に発展してきたのは、江戸~明治時代です。15世紀の後半に、朝鮮半島から綿布が大量に輸入されるようになり、16世紀には中国(明)からの唐木綿(※5)の輸入が加わって、上流階級では木綿の着用が流行し、綿布の国産化の気運が高まっていきました。※5【唐木綿】 とうもめん、又はからもめん。外国から輸入された綿布のこと。 上質な木綿として重宝されており、それに劣る国産の綿布は「田舎木綿」と呼ばれて区別されていた。三河産地で木綿の栽培が始まるのは16世紀初頭ごろで、奈良県興福寺大乗院に残っている「永正年中記」の永正七年(1510年)の年貢に関する記事には、三河木綿の記載があり、当時の奈良でもよく知られていたことが伺えます。 木綿は丈夫で耐久性にすぐれていたため、武士達は袴などの衣料のほか、旗や幕などにも用いられていました。現代では、産元(産地問屋)を中心に織・染・縫製など一次加工品から最終製品までを地域内で一貫して処理できる産地となりました。三河織物工業協同組合によって、2007年に「三河木綿」が地域団体商標に登録され、更なるブランド力の向上と拡販を目指しています。⑧ 尾州(びしゅう) ~愛知県~尾州産地は国内最大の毛織物の産地で、全国シェアの70%以上を占めています。 イタリアのビエラ、イギリスのハダースフィールドと並ぶ、毛織物の世界三大産地です。 尾州の毛織物は、紳士用スーツ地、コートなどの高級ゾーンに多く用いられています。産地の最大の特徴としては、糸から織物を作るまでの全工程がこの地域でなされ、分業体制が整っていることです。 企画、織り・編みを行う企業は親機(おやばた)、その協力工場を子機(こばた)と呼び、紡績・染色・補修・整理加工などといった、それぞれの工程を専門で請け負う工場も点在しています。産地内で完結することにより、多品種・少量・短サイクルの生産を可能にしています。 尾州という呼び名は、昔の尾張国の通称からきており、愛知県一宮市、津島市、岐阜県羽島市などがそれに含まれます。元来、尾州産地は、桑(蚕の餌)や綿花の栽培が盛んで、絹織物・綿織物を生産しており、繊維産業を軸に発展してきました。尾州が毛織物の産地として転換したのは、第一次世界大戦の影響があります。戦争を皮切りに、軍服を作るために毛織物の需要が高まり、ヨーロッパから日本へ毛織物が回ってこなくなってしまいました。自給自足を強いられた日本では、尾州を毛織物の産地とするよう働きかけがありました。理由としては、第一に、この地域がウールの取り扱いに適した湿度を持ち、木曽川の水が染色整理に適していた硬度・鉄分だったため、第二に、国内で初めての毛織機(けおりき)が尾州で開発されたためとされています。 第二次世界大戦後、朝鮮特需の影響もあり、尾州産地はますます毛織物産地としての発展を見せます。余談になりますが、モーニング文化(愛知県を中心とする中京圏内で、コーヒーを頼むとパンやゆで卵などがついてくる午前限定のサービス)は、1950年代の尾州産地において、繊維業を営む人たちが商談の場として喫茶店をよく利用したため、その常連客らの飲み物にゆで卵やピーナッツ菓子のサービスをしたことが発祥といわれています。工場が朝晩絶え間なく稼働し、埃が飛び交っていたため、喫茶店を会社の応接室代わりにしていたようです。当時の尾州産地の繊維業界がとても賑わいを見せていたことがわかります。 日本の「繊維産地」2 ~西日本編~  に続きます。いかがでしたでしょうか? ご覧頂き、日本の繊維業界に少しでも興味を持つきっかけとなれば幸いです。 今回ご紹介しきれなかった産地も含め、日本独自の繊維産業は全国津々浦々に広がっています。マスダ株式会社は、日本全国の産地の近くに支店・営業所を構えネットワーク化し、各産地の新鮮な情報を取り入れつつ、営業活動を行っております。 マスダの「定番」素材に限らず、多くの合成繊維・天然繊維の販売実績があります。繊維のことならワンストップで対応可能です。お気軽に営業までお問い合わせ下さい。

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繊維の種類と特徴1 ~分類及び天然繊維編~

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繊維の種類と特徴1 ~分類及び天然繊維編~

 テクスチャー(texture=織ること)を語源とするテキスタイル(textile)は、布地を意味します。テキスタイルの原料(糸)となる繊維は、その種類によって多種多様な性質を持ち、それがテキスタイルに対しても長所・短所をもたらします。これは、染色などの工程を経たとしても、基本的に影響を与えます。従って素材を把握するためには、繊維の種類とその特徴・特性を理解しておくことが基本になります。 繊維の種類  繊維を大別すると天然繊維と化学繊維に分かれます。天然繊維は、その名の通り綿、麻、絹、羊毛のように天然に繊維として存在しているものを取りだし利用したものを言います。綿や麻などの植物を由来とする「植物質」、羊毛(=ウール)や絹などの動物を由来とする「動物質」、石綿を由来とする「鉱物質」に分かれます。一般的な衣料としてみると、植物質や動物質の繊維が馴染みあるかもしれません。 他方、化学繊維は人間が人工的・化学的に作り出した繊維のことを言います。原料の違いによって、再生繊維、半合成繊維、合成繊維、無機繊維に分かれます。 ※無機繊維(ガラス繊維や炭素繊維など)の説明は省略します。  天然繊維は、絹を除いて繊維長が短かい繊維(綿や羊毛といった20㎜~麻の600㎜)を撚り合わせて一本の長い糸にする「紡績」という工程が必要になります。短い繊維を合わせて作るので一本の糸の中で太さ・形状が不均一になり、それが「天然のもの」といった味になります。 それに対し、化学繊維は、人工的なものであるが故に均一の長い糸が作ることが出来る為、綺麗な生地を作ることが可能であるとともに機能性を付加しやすく、取扱いやすさもある為、ニーズ・用途は拡がっていっています。 ①天然繊維  【綿】コットン(cotton)  【羊毛】ウール(wool) 【麻】 【絹】シルク(silk) ②化学繊維 ・再生繊維 【レーヨン】(rayon) 【キュプラ】(cupro) ・半合成繊維 【アセテート・トリアセテート】(acetate)(triacetate) ・合成繊維 【ナイロン】(nylon) 【ポリエステル】(polyester) 【アクリル】(acryl) 天然繊維 【綿】コットン(cotton)  最もポピュラーな繊維で紀元前2500年頃から存在していたとされ、綿花の種子の表皮細胞が成長したものが原料になっています。 綿の特徴としては、吸湿性が非常に高く、繊維の内側と外側に湿度差が出来ると内側の水分を吸って、外側に放出しようとします。 その際に気化熱を奪う為に衣服で使用した場合、衣服内の温度が下がり、涼しく爽やかに着ることが出来ます。繊維の先端が丸みを帯びているので柔らかく肌触りが良い素材です。 こういった特徴が衣服とした時に非常に汎用的使用され、最も身近な繊維となっている理由だと思います。 綿は、栽培されている場所によって繊維長(繊維の長さ)が異なり、繊維長が長い方が細く柔らかな糸を作ることが出来る為、高級な綿と言われています。 繊維長 生産地による種類 グレード 3.5~6cm ・海島綿(シーアイランドコットン) ・エジプト綿 ・アメリカ綿(スーピマ綿) ・中国綿(新疆綿) ・ペルー綿 ・スーダン綿 高級 高級 2.5~3cm ・アメリカ綿 ・メキシコ綿 ・オーストラリア綿中級 中級 2.5cm以下 ・パキスタン綿 ・インド綿 ・中国綿低級 低級  綿の糸の中には、極端に短い繊維を除去し繊維の方向を揃えるカード工程を経たカード糸と、さらにカード糸の中の短い繊維を除去するコーマ工程という工程を通ったコーマ糸という二つの種類があります。コーマ糸は、カード糸に比べて短い繊維が少なく、毛羽になりにくく、ピリングも発生しにくくなります。 また、綿素材においては、アルカリ処理を施すことで綿繊維を膨潤させるシルケット加工と言われるものがあり、これを行うことで、発色性が向上し、生地にハリやコシが生まれます。 【羊毛】ウール(wool)  羊の体に生えている毛を刈り取って利用する繊維。動物の毛としては、羊の毛であるウールの他に、カシミヤ山羊の毛であるカシミヤやアンゴラ山羊・アンゴラウサギの毛であるアンゴラなどがあります。 羊毛の生産量は、殆どをオーストラリア・ニュージーランドが占めており、オーストラリアの飼育羊は約4分の3がメリノ種※です。  ※メリノ種・・・もともと褐色や黒色で衣料にするには不適当であったのを、年月をかけて交配を繰り返して、作り出すことに成功した白色の羊。  ウールの特徴は、繊維の表面に鱗のような「スケール」と言われるものがあること、および波状の屈曲「クリンプ」があることでもたらされます。クリンプがあることで膨らみ及び弾力性を持ち、かつ空気層を多くもつ為、保温性に優れているが、反面、非常に変形しやすい弱点がある。 また、ウールの別の特徴として、繊維同士が絡みあうフェルト化現象があります。石鹸(アルカリ)と熱を加えてもむことで繊維が絡まり固まる性質を言いますが、家庭洗濯などによる縮みといった欠点となりうる反面、この性質を利用し厚手で密に詰まった生地(フェルト生地)を作ることも出来ます。  そして、綿糸と同様、繊維長の短いものを除去するか否かで梳毛糸と紡毛糸という種類があります。梳毛糸(ウーステッド・worsted yarn)は、5センチ以上の比較的繊維長の長い羊毛を使用し、繊維を平行に揃え、短い繊維を取り除いて糸とするため、毛羽の少ない滑らかな糸のことを言います。表面が滑らかである為、光沢感があり、スーツなどで使用されています。 それに対し、紡毛糸(ウールン・woolen)は、繊維長の比較的短いものや梳毛糸を作るときに出来る短い羊毛を原料とし、繊維の配列も不規則でクリンプを保った毛羽の多い太めの糸のことを言います。 紡毛糸はツイード素材など使われており、綿のカード糸・コーマ糸とはニュアンスが異なり、品質のレベルというよりも異なる素材を作る為の手法の違いといった意味合いがあります。   【麻】  人類最古の衣料と言われており、紀元前10000年の頃から使用されているとも言われています。麻の中にも種類があり、リネン(亜麻)、ラミー(苧麻)、ヘンプ(大麻)が繊維として使用されています。  リネン(亜麻)は、亜寒帯に適した栽培植物であり、比較的寒い地方で湿気が多い地域で良く育ちます。天然繊維や化学繊維の中でも熱伝導性に優れ、体熱を外部へ伝える力が大きい為、夏の衣服に使われることが多い素材です。綿と比べると強度が強く、剛性もあるため、シャリ感があることも清涼感を増す要素となっています。ただし、水を含むと膨潤する為、収縮が起き、またシワが付きやすい弱点があります。  ラミー(苧麻)は、多照で温暖な気候条件と湿潤な土地でよく育ちます。天然繊維の中で最もシャリ感があります。また、繊維自体としても吸湿・放湿性に優れている上、コシが強い繊維の為、多少粗く織っても織り糸が滑脱しにくく、通気性に優れた織物をつくることが出来るのが特徴です。ただし、繊維が硬い為、チクチクと肌を刺激する傾向があります。  ヘンプ(大麻)は、中央アジアを中心に世界各地に分布しています。ラミーやリネンよりもシャリ感があり、肌触りが凉しい。繊維構造が中空の為、吸湿・吸汗性があります。ただし、太くて短い繊維長である為、繊維にすることが難しい素材です。 【絹】シルク(silk)  蚕が口から吐き出した絹糸で作った繭から繰り取った繊維で、動物質の天然繊維の中で唯一の長繊維です。繭から繰り取った生糸の断面についているセリシンという皮状の固い部分を、精練と言われる工程で溶かすことで、絹独特の美しさとしなやかさを持った生地となります。 絹は、非常に美しくしなやかな繊維であり、高級素材として知られていますが、反面、経年によって黄変(きばみ)したり、日光により脆化したり、染色堅牢度が良くないなど、取扱いの難しい素材でもあります。 当社のストックオペレーションとしては、合成繊維が中心で天然素材の展開は少ないですが、綿織物の産地である遠州産地・三河産地や先染め綿織物の西脇産地の仕入先も多くあり、毛織物の世界有数の産地である尾州産地も名古屋本社から程近く、あらゆる繊維の取り扱いをワンストップで対応しております。 天然繊維の生地をお探しの際も、是非当社へ御相談ください。

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繊維の種類と特徴2 ~化学繊維編~

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繊維の種類と特徴2 ~化学繊維編~

化学繊維・再生繊維【レーヨン】(rayon)【キュプラ】(cupro)・半合成繊維【アセテート】(acetate)【トリアセテート】(triacetate)・合成繊維【ナイロン】(nylon)【ポリエステル】(polyester)【アクリル】(acryl)  再生繊維…木材パルプやコットンリンターに含まれているセルロースを一度薬品で溶解し、その上でもう一度引き延ばして凝固させて糸とする為、再生繊維と呼ばれます。【レーヨン】(rayon)日本で一番早く作られた化学繊維で、東レ㈱→旧社名:東洋レーヨン㈱や㈱クラレ→旧社名:倉敷レイヨン㈱などの社名にその名残を残しています。木材パルプを原料としており、成分は綿や麻と同じセルロース(繊維素)です。 つまり、元が植物ですので、綿などと同様吸湿性・吸水性に優れた特徴を持ちます。レーヨンにはフィラメント(長繊維)とステープル(短繊維)がありますが、フィラメントのものを「人絹」と呼び、ステープルのものを「スフ」(ステープル・ファイバーの略)と呼んでいます。特徴としては、独特の光沢があり、発色性も良い。また、前述の通り、綿などと同様吸湿性に優れています。ただし、吸湿すると極端に強度が低下する欠点があり、また寸法安定性が低く、シワにもなりやすい素材です。【キュプラ】(cupro) コットンリンター※1を主原料とし、酸化銅アンモニア液で溶かし、その上で紡糸・凝固された繊維です。レーヨンと比べると繊維素の配列が整っている為、糸物性・摩耗には強いのが特徴です。ただし、あくまでもレーヨンと比べた場合であり、基本的には繊細な繊維であり、多くの場合、ポリエステルなどと合わせて使用されます。レーヨン同様、主原料が綿であることから、吸湿性に優れ、また繊維中にも水分を多く含み(公定水分率※2が11%)熱伝導率も高い為、肌に触れた瞬間にひんやりとする接触冷感性がある素材です。吸湿性の高さから高級裏地で使用されることが多く、当社においては、ポリエステルの吸汗速乾素材の肌側にキュプラを編み込むことで接触冷感性を持つ商品を在庫展開しています。⇒キュプラ使用素材:生地定番<BEN9006> <BEN8989> 製品定番<MOST-906>※1 コットンリンター種子のついた綿花を、綿の原料となる原綿と種子に分けた際に、種に短い繊維が残る。これをコットンリンターと呼ぶ。※2 公定水分率絶乾状態における、繊維内に含まれる水分の割合。素材 公定水分率(%)   毛 15.0高  絹 11.0↑↓ 麻 12.0 綿 8.5 ナイロン 4.5 ポリエステル 0.4 低 半合成繊維…セルロースや蛋白質のような天然で得られる材料を用いる点では再生繊維に近いですが、天然の繊維素そのものを再生して作られる再生繊維に対して、天然資源に化学品(酢酸)を用いて繊維(酢酸繊維素:アセチルセルロース)を作り出す為、分子の中に天然物と合成物を合わせ持っている繊維です。 【アセテート(ジアセテート)】(acetate、diacetate)綿・麻に似て、不均一で多くの溝を持った断面構造であることから光が乱反射する為、穏やかな光沢の繊維です。適度な吸湿性を持ちながら、速乾性を持ち、むれ・べとつきが少ない生地になります。ただし、水に対して膨潤性が低く、収縮しにくいがシワになりやすく、湿潤時の強度の低下などの弱点もあります。 特殊な用途としては、たばこのフィルターに使用されています。アセテートの中には、セルロースに結合させる酢酸の重量比(酢酸度)が約55%のジアセテートと約61%のトリアセテートがあります。一般的には、アセテートはジアセテートのことを言います。 【トリアセテート】(triacetate)ジアセテートに比べて比較的シワになりにくく、湿潤時の強度低下も小さく、発色に優れており、濃色も出やすいので衣料用に使用されています。ブラウスやニットシャツなど向けに高級素材として使用されています。     合成繊維…石油等を原料にして化学的に合成させた物質から作り出された繊維を言います。合成された物質により、いろいろな繊維が作られています。代表的なものとしてポリエステル、ナイロン、アクリルなどがあります。【ナイロン】(nylon)ジアセテートに比べて比較的シワになりにくく、湿潤時の強度低下も小さく、発色に優れており、濃色も出やすいので衣料用に使用されています。ブラウスやニットシャツなど向けに高級素材として使用されています。 尚、ナイロンの中でも多少の原料の違い※によってナイロン6とナイロン66といった種類があります。この両者の違いは、ナイロン66の方が耐熱性や強度がナイロン6よりも少し高い為、産業資材用途に多く使われ、衣料用には柔らかなナイロン6が主に使われます。 ※ナイロン6は、石油から作られたイプシロン-カプロラクタムを重合し作られるのに対し、ナイロン66は、ナイロン6の中間原料であるアジピン酸と別の石油化学製品であるヘキサメチレンジアミンとを重合して作られます。ナイロンの特徴としては、強度が強く、特に摩耗強く、水に濡れてもほとんど水を吸わないので早く乾き、洗濯が簡単です。また、熱可塑性(常温では変形しにくいが過熱すると軟化し成形しやすくなり、冷やすと再び変形しにくくなる性質。)があり、伸び縮みしたり、型崩れすることはほとんどありません。 ただし、ポリエステルと比べると吸湿性がある為、湿潤状態に置く事で寸法変化が生じたり、長期間の保管や紫外線により黄変(きばみ)が出ることがある為、扱いやすさの面から、汎用性においてポリエステルが用いられるケースが多くなっています。 ただし、ナイロンにはポリエステルに比べて独特のぬめり感をもっており、商品の差別化を図る際などで根強く支持されている繊維です。マスダのストックオペレーションシステムは、昭和50年頃からナイロン素材での展開からスタートしており、取扱いの難しいナイロン素材の在庫ストックには経験に裏打ちされたノウハウが必要で、その商品展開の豊富さは、マスダの特徴の一つです。 ⇒<テキスタイル(ナイロンシリーズ)>【ポリエステル】(polyester) 石油由来の繊維の一つで、PTA(高純度テレフタル酸)とエチレングリコールを重合して繊維化したものを言います。 ポリエステルも細かく分けるとPET(ポリエチレンテレフタレート)、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)に分類されます。一般的なポリエステル素材というのは、PET樹脂を繊維化したものであり、ペットボトルで使用されている樹脂もPET樹脂で、我々の生活に非常に身近な存在です。 ポリエステルの特徴としては、非常に強い繊維で濡れても強さは変わりません。摩擦についても同様です。吸湿性が少なく濡れてもすぐ乾き、かつ縮みも少ないのが特徴です。熱可塑性があり、シワになりにくい特徴をもつ一方、プリーツ加工や織り目を付ける加工をすると洗濯してもとれにくくすることが出来ます。  酸に強いという特徴もあります。非常に物性面で取扱いがしやすく、衣料の他にも寝装やインテリアなどでも世界的にも需要は増加していっています。当社の取り扱っている合成繊維の中でも、ポリエステル素材は群を抜いて豊富な種類を用意しております。⇒<テキスタイル(ポリエステルシリーズ)>【アクリル】 アクリロニトリルを主成分とする繊維で、ウールを目指して開発された合成繊維であり、主にウールと混紡(一緒に混ぜ合わせて糸を作る)して使われたりする繊維です。かさ高な繊維である為、空気層を作りやすく保温性に優れています。その為、用途としては、ニットウェアの他、フェイクファーや毛布、パイルといったものに多く用いられています。アクリロニトリルの含有量が85%以上の場合は「アクリル」、85%未満の場合は、「アクリル系」と表示されます。  

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糸の太さについて(糸番手換算システム)

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糸の太さについて(糸番手換算システム)

 繊維を理解する上において、糸の太さを理解することが第一歩目となります。 世の中の生地は、基本的に糸の種類、糸の太さ、それをどのように組み合わせるかで、 それぞれの用途に適したものを作り上げられています。 わかりにくいのは、繊維の組成によって糸の太さを表す単位が異なる点です。毛番手 1kgの重さで1kmの長さを「1番手」とする。 つまり、1kgの重さで2kmの長さになる糸は「2番手」。 結果、1番手は2番手よりも太い糸ということになる。綿番手 1ポンド(約453g)の重さで840ヤード(約768m)の長さを「1番手」と定めている。 つまり、1ポンドの重さで1680ヤードの長さとなるものを2番手と言う。 結果、2番手の糸は、1番手の糸よりも軽い(細い)糸ということになる。麻番手 1ポンドの重さで300ヤード(約274m)の長さを「1番手」と定めている。 つまり、1ポンドの重さで600ヤードの長さになるものを「2番手」という。 結果、2番手の糸は、1番手の糸よりも軽い(細い)糸ということになる。 ※上記のように、一定の重さに対して、どれだけの長さになるのかで糸の太さを表す方式のことを「恒重式番手」という。 つまり、恒重式番手の糸は、数字が大きくなるほど糸は細いということになります。デニール 9000mの長さで1gの重さの糸の太さを「1デニール」と定めている。 9000mの長さで10gであれば「10デニール」となる。 結果、1デニールは、10デニールよりも軽い(細い)糸ということになる。デシテックス 10000mの長さで1gの重さの糸の太さを「1デシテックス」と定めている。 10000mの長さで10gであれば「10デシテックス」となる。 結果、1デシテックスは、10デシテックスより軽い(細い)糸ということになる。 ※上記のように、一定の長さに対して、どれだけの長さになるのかで糸の太さを表す方式のことを「恒長式番手」という。 つまり、恒長式番手の糸は、数字が大きくなるほど糸は太いということになります。 素材が異なり単位が異なると数字が大きくなると糸が太くなるのか、細くなるのかは、基本として知っておく必要があります。 基本的には、綿や毛や麻といった短繊維は数字が大きくなると細くなる恒重式、 ポリエステルやナイロンといった長繊維は数字が大きくなると太くなる恒長式と考えておくと 大きな間違いではないと思います。 次に、組成が異なった時に、ある糸と同じくらいの太さの糸はどのような数値の糸であるのかという点です。 例えば、綿の60番手はポリエステルでいうと何デニールになるのか。 下記のシステムを使うと、簡単に比較出来るので、是非活用ください。 但し、計算の関係上、若干の誤差はありますので、目安としてご活用下さい。

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